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電磁弁とは【7項目】で基本を解説

電磁弁

このページでは電磁弁について
初心者向けに概要等を
書いております。

電磁弁は空気圧や油圧設備で
シリンダーを動作させるなど
機械動作に関わる
部品の1つとして使われます。

そのため、電気で動作しますが
機械屋も扱うことは多いです。

その機械、電気両方で関わることが
多い、重要部品である
電磁弁について解説します。

1.電磁弁とは

まずは電磁弁とは何かを
簡単に説明していきます。

電磁弁はスイッチです

電磁弁とは簡単にいうと
流体の流れをON/OFFする
(流す/止める)スイッチです。

流体とは水や空気(エア),
油などのことです。

流体のスイッチとして
身近な例だと水道の蛇口です。

蛇口はまわすと水がでます。
締めると水が止まります。

流体(水)の流れを
ON/OFFしていますね。

蛇口は人間が手動でON/OFF
させますが
電磁弁は電気で
ON/OFFさせます。

電気で自動制御できる

電磁弁は電気で流体を
ON/OFFさせることができます。

電気を入切するボタンを
人間が押すことで
電磁弁をON/OFFさせるよりも

電気制御回路で
自動的にON/OFFさせるような
使い方が多いです。

リレーシーケンスやPLCを
使った電気制御技術の
1つであるシーケンス制御で
自動化されることが多いです。

(リレーシーケンスについては
 以下をクリックして参考ください。
→リレーシーケンスとは)

(PLCについては
 以下をクリックして参考ください。
→PLCとは)

(シーケンス制御については
 以下をクリックして参考ください。
→シーケンス制御とは
→シーケンス制御講座)

例えば、トグルスイッチをONにして
近接センサーが物体を検知したら
電磁弁を動作させ、

その状態で、マイクロスイッチが
動作したら停止させるなどの

シーケンス回路を
設計することで
流体を自由自在に
自動制御できるわけです。

(トグルスイッチについては
 以下をクリックして参考ください。
→トグルスイッチとは)

(近接センサーについては
 以下をクリックして参考ください。
→近接センサーとは)

(マイクロスイッチについては
 以下をクリックして参考ください。
→マイクロスイッチとは)

方向制御弁の1つです

電磁弁は流体の方向を
制御します。

ここまでの説明では
進む/止まる(流す/止める)
だけの2方向ですが

複雑な制御をする種類も
あります。

こういった流体の方向を
制御する弁を方向制御弁といい、
電磁弁はその中の1つです。

空圧図面や油圧図面では
電磁弁とは書かず方向制御弁と
書かれていることもあります。

その方向制御弁は
電磁弁のことでもあると
考えてください。

参考までに他の方向制御弁は
以下のものがあります

・空気圧弁
・機械作動弁
・手動弁

まとめ

1.
電磁弁は流体の
スイッチである

2.
電磁弁は流体を
流す/止めるといった
2方向を含め

流体の方向を制御する
方向制御弁である。

3.
電磁弁は
シーケンス制御等で
自動制御されることが
多い。

2.電磁弁の仕組み

この項では
電磁弁がどのように動作するのか、
その仕組みを解説します。

ソレノイドの作用で動作する

電磁弁は電気で動作すると
書きましたが

電磁弁に内蔵されている
ソレノイドに電気が
入ることで動作します。

正確には、ソレノイドではなく
電磁石なのでですが、

ソレノイドと
書かれることもあれば
電磁石と
書かれることもあります。

言葉の定義だけの
問題なので、

動作が理解できていれば
どちらでもいいかと
思っています。

ソレノイドと電磁石の
違いについては
以下のページで
解説していますので

興味があれば
ご参考ください。

→ソレノイドとは

電磁弁の基本動作

電磁弁の仕組み概要図-流体遮断時

電磁弁の仕組み概要図-流体遮断時

上図が電磁弁の内部
概要図の一例です。

流体の入口と出口がありますが
この図では遮断されています。

ここで電池(電源)のスイッチを
入れます。

電磁弁の仕組み概要図-流体導通時

電磁弁の仕組み概要図-流体導通時

今度は、入口と出口が
繋がり、流体が導通します。

動作を解説すると
ソレノイド(電磁石)に電気を
通電することで
ソレノイドが磁力を持ちます。

その磁力が、バネの力に勝って
一般に可動鉄心と呼ばれる
可動部を吸着します。

その動きに連動し
可動部内で塞がれていない箇所が
入口・出口部へ移動し
そこを通って流体が流れます。

電源を切ると、
磁力がなくなるので
バネの力で元の位置に戻ります。

これで流体をON/OFFできます。

これが電磁弁の
基本的な仕組み・動作です。

あとで説明しますが
電磁弁にも色々と種類があります。

流体の入出口が増えたもの
ソレノイド(電磁石)が
増えた製品もありますが
基本全てはこの動作・仕組みです。

このソレノイド(電磁石)の磁力で
可動鉄心を吸着させる原理で
動作する製品は
電磁弁だけではなく

電磁リレーや電磁接触器、
電磁ブレーキなど
多くで使われています。

(電磁リレーについては
 以下をクリックして参考ください。
→電磁リレーとは)

(電磁接触器については
 以下をクリックして参考ください。
→電磁接触器とは)

3.シリンダーについて

電磁弁は流体の流れを
ON/OFFさせます。

使い方として
単純に水や油の配管途中に
取り付けて流体を流す、止めると
いった使い方もあります。

この使い方のように
電磁弁本体で目的の仕事を
する場合もありますが

負荷を動作させる使い方もあります。

その負荷の代表的なものが
シリンダーです。

空気圧制御ならエアシリンダ―
油圧制御なら油圧シリンダーになります。

下写真がその一例です。

シリンダーの写真-CKDのHPより

シリンダーの写真-CKDのHPより

後述の説明がし易くなるので
この項ではシリンダーについて
簡単に解説しておきます。

以下が概略図です。

シリンダー概略図

シリンダー概略図

2つの配管接続口が
空気などの流体の
出口になります。

シリンダーが動きを
見たことがある人は
分かるかと思いますが

ピストンロッドが
出たり引っ込んだりする
棒状のものになります。

動作を説明します。

シリンダーの動作概略1

シリンダーの動作概略1

2つの配管接続口は
入口と出口になります。

上図の入口から流体が
注入されることで
ピストンが入口側から
押されます。

そして、ピストンを挟んで
出口側の流体は排出され
最終的に上図の下のように
流体は全て排出され

ピストンが端まで
移動します。

次に下図のように
入口、出口が切り替わり
先程とは逆の動作をします。

そして、ピストンロッドが
出ていきます。

シリンダーの動作概略2

シリンダーの動作概略2

このような内部動作に
よって、ピストンロッドが
出たり引っ込んだり
するわけです。

機械や設備では
このピストンロッドの動作を
使って色々な部品を
動作させているわけです。

油圧シリンダーなら
重たいものを持ち上げたり
圧力でモノを潰したり
します。

後述しますが
配管接続口の入口と出口が
切り替わりましたが

電磁弁で、この切り替えを
行っています。

4.電磁弁の種類と記号

ここまで電磁弁の仕組み・基本動作を
書きました。

その内容はソレノイドが1つ、
出入口が2つの単純なものでした。

電磁弁には、その他
色々と種類があります。

この項では
他について紹介します。

それと並行して記号に
ついても紹介します。

電磁弁本体には
記号が書かれていることが
多いです。

その電磁弁を知らなくても
記号を見て、どう動作する
電磁弁か分かります。

簡単ですので、
知っておくといいです。

ポート数と記号

ポート数とは
流体の出入口の数のことです。

前項の説明は
入口と出口の2つだけだったので
2ポートになります。

3ポート、4ポート、
5ポートとあります。

記号は
A,B,P.Rです。

A,BはOUT1,OUT2で
シリンダーなどの負荷へ
流体が出る口、

シリンダーなどの負荷から
流体が出る口です。

PはINでコンプレッサーなど
流体の源から電磁弁へ
流体が入る口です。

RはEXTで
電磁弁から外へ
流体を出す(戻す)口です。

5ポートの場合Rは
R1とR2があり、
それぞれAポート用の戻口
Bポート用の戻口となります。

ソレノイドの数と記号とスプリング

ソレノイド(電磁石)の数が1個と
2個の電磁弁があります。

1個をシングルソレノイド、
2個をダブルソレノイドといいます。

シングルソレノイドは
ソレノイドに通電し、
磁力で弁を切り替え、

通電を切った後は
スプリングで元の
位置に戻します。

ダブルソレノイドは
2つのソレノイドの
磁力で弁を切り替えます。

電磁弁の種類によって
2個の内、

一方に
通電して切り替えるパターンや
同時に通電するパターンなど
あります。

記号は下図になります。

ソレノイドとスプリングの記号

ソレノイドとスプリングの記号

位置数と記号

位置数(弁の数)は
切り替えれる数のことです。

2位置弁、3位置弁、4位置弁
とあります。

3位置弁は
ダブルソレノイドの場合

個々のソレノイドに通電、
2個とも非通電の3通りで
切り替えます。

4位置弁は
個々のソレノイドに通電、
2個とも通電、非通電で
切り替えます。

記号は下図になります。
 

位置数の記号

位置数の記号

2位置弁が90%近く
使われています。

記号で分かる電磁弁の動き

電磁弁の記号から
電磁弁の動きを考えていきます。

電磁弁はソレノイドの磁力や
スプリングで中のスプールを
動かして流体の流れを
切り替えています。

下図のような感じです。

スプールの動き

スプールの役割

スプールが動くことで
流体の流れが
P⇒AとP⇒Bで
切り替わっています。

スプールの形状を
変えることで位置数や
ポート数に応じた
切り替えを可能にしています。

では、1例をつかって動作を
みていきます。

4ポート2位置弁

下図を見てください。

4ポート2位置弁:ソレノイドON

4ポート2位置弁:ソレノイドON

電磁弁の記号とシリンダーの
略図を書き、線で接続しています。

この線は配管です、

電磁弁に書かれた記号
A,B,P.Rは前述したとおり
A,Bは出口、Pは流体源、
Rは戻口です。

この図は
ソレノイド通電状態です。

磁力で吸引されスプールが動き
2部屋(2位置)の内で
ソレノイド側の部屋で
流体が流れます。

電磁弁に矢印が書かれて
いますが、その矢印の方向に
流体は流れます。

P(源)からAポートを通って
シリンダーへ、

つまり、コンプレッサーなどの
空気圧源(P)はAポートから
出ていきます。

BポートからR(戻口)へ
矢印が書かれています。

シリンダーからBポートを
通って、Rポートへ
流体は流れ、油圧なら
油タンクなどに流体は戻ります。

これが、この電磁弁の
ソレノイド通電時の
流体の動き方です。

電磁弁の記号から
読み取ることができます。

次に下図を見てください。

4ポート2位置弁:ソレノイドOFF

4ポート2位置弁:ソレノイドOFF

今度は、
ソレノイド非通電時です。

この電磁弁は
1個のソレノイドで
他方はスプリングが
付いています。

ソレノイドOFF時は
スプリングの力で
スプールが動き

スプリング側の部屋で
流体が流れます。

この図を見ると
A,B,P,Rがそのまま
スプリング側の部屋に
水平移動しています。

今度はスプリング側に
書かれた矢印の方向に
流体は流れます。

P→B→シリンダ
シリンダ→A→R

そのため
ピストンロッドが
後退する方向に動きます。

電磁弁本体のラベル等に
この記号は書かれています。

このように記号から
その電磁弁の動きが
読み取れます。

説明した例は
シングルソレノイドでしたが
ダブルソレノイドだったら
どう動くでしょうか?

スプリングの代わりに
ソレノイドが入ります。

ソレノイドを非通電に
してもスプリングで
動作せず、

他方の
ソレノイドを通電するまで
その位置をキープします。

その他

よく使われる4ポート2位置弁の
動作を解説しましたが
他には以下のようなものが
あります。

①3ポート2位置弁
 (シングルソレノイド)

②5ポート2位置弁
 (シングル/ダブルソレノイド)

③5ポート3位置弁
 (ダブルソレノイド)

オールポートブロック形
ABR形
PAB形
とあります。

5.電磁弁のメーカー

電磁弁も多くのメーカーが
販売していますが

他社の機械で使われいる
のをよく見るメーカーは
SMCかCKDでしょうか。

SMC、CKDは電磁弁の他にも
空気圧、油圧関係の
様々な機器を扱っています。

あとベンの電磁弁も
見ることは多いですね。

以下にHPのリンクを
はっておきます。

・→SMC
・→CKD
・→ベン

6.電磁弁と一緒に使う部品など

電磁弁は単体では使えません。

配管はもちろん、
流量を調整する部品も
あります。

特に空気圧で使う機器を
いくつか紹介します。

チューブ

空気圧に使う配管みたいなものですね。

継手

チューブを直接電磁弁には
取付けません。

電磁弁のポートに
継手をねじ込んで、
それにチューブを差します。

チューブを穴に
差すだけでいい
クイック継手が
使われます。

(メーカーによって
名称は違うようです。
ワンプッシュ継手と
いう名称もあります)

サイレンサー

消音器ともいいます。

空気圧で排気音が
大きいときに
低減する目的で排気口に
取り付けます。

メタリングバルブ

空気の通る流量を
変化させる部品。

使う目的はシリンダーの
動作速度を調整することである。

電磁弁の排気口につける。

この目的で使う部品を
スピードコントローラー
(スピコン)ともいうが

電磁弁に直接取り付ける
ものはメタリングバルブと
呼ばれるので、この名称で
紹介しました。

スピコンについては
以下のページを参考ください。

スピコンとは【8項】で解説!概要と類似部品について

7.自動制御のためのシリンダスイッチ

直接、電磁弁には
関係ありませんが
シリンダーに取付けるセンサー、
シリンダスイッチを紹介しておきます。

ピストンロッドが前進、後退
したことを検出する
目的で使います。

電磁弁が切り替わったからと
いってもシリンダーが動作
したかまで分かりません。

ですので、シリンダスイッチで
しっかりと動作したことを
検出して、

その信号をPLCなどに
送り、次のシーケンスへ
移行させることで

機械の間違いない
動作が実現できます。

シリンダスイッチは
シリンダーの外部に
取付けます。

シリンダスイッチについては
その使い方と以下の
ページで解説していますので
ご参考ください。

→シリンダスイッチ、リードスイッチとは

8.まとめ

機械の動力にはモーターが
使われます。

(三相モーターについては
 以下のサイトを参考ください。
→三相モーターとは?)

モーターを使ってギアや
Vベルトなどで機械を
動作させる以外に

モーターで動作させる
コンプレッサーや油圧ポンプを
使って流体で機械を
動作させることも多いです。

その流体の入切スイッチであり
PLC(シーケンサ)など使い
電気回路で自動制御もできる
電磁弁は重要パーツといえます。

(シーケンサについては
 以下のサイトを参考ください。
→シーケンサ講座)

私は電気修理の仕事を
主にしていますが

電磁弁は機械屋でも
電気屋でもその仕組みや
動作を知っておかないと

電磁弁が機械の故障原因では
無い場合でも
全体の故障調査が難しい場面が
あると思います。

このページが
その重要パーツを
知るきっかけになったなら
うれしく思います。

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