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メータインとメータアウト【4項】で概要から使い方まで解説

メータイン回路

このページでは
空気圧制御のメータインと
メータアウトについて
解説しています。

メータインとメータアウトは
スピコン(スピードコントローラー)、
電磁弁、シリンダーを知っていないと
理解が難しいです。

このページでも簡単には
説明しますが、基本的に
既に知っている前提で説明を
していきます。

分からない場合は
以下のページで説明していますので
まずはご参考ください。

電磁弁やシリンダーについては
以下のページを参考ください。

電磁弁とは【7項目】で基本を解説

スピコンについては
以下のページを参考ください。

スピコンとは【8項】で解説!概要と類似部品について

1.メータインとメータアウト

シリンダーの写真-CKDのHPより

シリンダーの写真-CKDのHPより

シリンダー概略図

シリンダー概略図

上図はシリンダーです。

シリンダーはピストンが
出入する力を使って負荷を
動作させます。

空気圧制御の場合は、
配管接続口に継手、
チューブなどで配管して
圧縮空気の出入を行います。

シリンダーの動作概略1

シリンダーの動作概略1

シリンダーのピストンが出入りする
速度を可変したいときは
スピコンを使います。

スピコンの例:モノタロウHPより

スピコンの例:モノタロウHPより

シリンダの配管接続口に
スピコンが取り付けられます。

スピコンとシリンダーの接続

スピコンとシリンダーの接続

スピコンは圧縮空気が通る
断面積を狭くすることで
スピコンを通る流量を絞ります。

その作用で
速度制御ができるのです。

メータインとメータアウトとは
シリンダーの速度制御の方式だと
考えてください。

メータインとメータアウトの違いは

メータインは
スピコンを使って吸気を絞る

メータアウトは
スピコンを使って排気の絞る

この違いです。

次項では回路を見ながら
説明していきます。

2.メータイン回路とメータアウト回路

メータイン回路例

メータイン回路例

上図はメータインの回路例です。

メータインから説明をしていきます。

スピコンのJIS記号

スピコンのJIS記号

上の記号はスピコンです。

スピコンは下図のように
2つの流路があります。

1つは流量を絞れます。

他方は自由に流れますが
1方向だけで多方向は逆止で
流れません。

スピコンの空気の流れ

スピコンの空気の流れ

逆止め弁での空気の流れ

逆止め弁での空気の流れ

下の記号は電磁弁です。

電磁弁の記号

電磁弁の記号

Pは圧縮空気の入口
Rは圧縮空気の出口
AとBはシリンダーの配管接続口に
接続します。

上図はソレノイド非通電時、
つまり動作OFFの時の状態です。

(ソレノイドについては
 以下をクリックして参考ください。
→ソレノイドとは)

圧縮空気はPからAへ流入し
BからRへ流出します。

下図はソレノイド非通電時、
つまり動作ONの時の状態です。

圧縮空気はPからBへ流入し
AからRへ流出します。

では、メタ―イン回路の
動作をみていきましょう。

メータイン回路の動作

メータイン回路:ソレノイド非通電時

メータイン回路:ソレノイド非通電時

上の回路図は
ソレノイド非通電時の回路で
青矢印は吸気を、赤矢印排気を
示します。

吸気の方はスピコンの逆止弁は
通れないので、流量を絞る
可変絞り弁を通ります。

排気は逆止弁も通りますので
流量の制御はできません。

メータイン回路:ソレノイド通電時

メータイン回路:ソレノイド通電時

上の回路図は
ソレノイド通電時です。

非通電時同様に
吸気側はスピコンで流量制御
できますが

排気は制御できません。

このように、メータイン回路は
シリンダーへの吸気だけを
制御する回路です。

メータアウト回路の動作

メータアウト回路:ソレノイド非通電時

メータアウト回路:ソレノイド非通電時

メータアウト回路:ソレノイド通電時

メータアウト回路:ソレノイド通電時

上の回路図は
ソレノイド非通電時、
下の回路図は
ソレノイド通電時です。

動作はメータイン回路で
説明しましたので省略
しますが、

メータアウト回路では
排気の方が流量制御
でき、吸気側は制御できません。

これが
メータインとメータアウトと
違いです。

メータインとメータアウトに
欠かせないスピコンですが
メータイン用とメータアウト用が
あります。

次項では、
それについて説明します。

3.スピコンでのメータインとメータアウトの見分け方

スピコンは
メータイン回路用と
メータアウト回路用が
あります。

スピコンの外観でのメータイン用と
メータアウト用の見分け方ですが

スピコンに書かれた記号

スピコンに書かれた記号

上写真のようにスピコンの
記号が書いてあります。

金属管のコネクタはシリンダーに
クイック継手に差し込むチューブは
電磁弁へ接続します。

メータイン用とメータアウト用の見方

メータイン用とメータアウト用の見方

上の写真と図のように
記号を見て、空気の流れを
考えてメータイン用、メータアウト用を
判別できます。

4.使い方、どう使うか

メータイン制御とメータアウト制御の
使い方、どう使い分けるについて
説明します。

複動形シリンダーと単動形シリンダーに
分けて書いていきます。

複動形シリンダーでは

複動形シリンダーとは
ここまでの説明に説明したきた
シリンダーです。

シリンダー概略図

シリンダー概略図

上図のように

圧縮空気が出入する口が
前後にあり2口からの
出入によってシリンダーを
動作させます。

複動形シリンダーでは
メータアウト制御を使うのが
一般的です。

それは安定した動作(力)が
得られるからです。

メータアウトでは、
排気側の流量が絞られます。

そういったことから
排気側は大気圧にはなりません。

シリンダー内は
ピストンを挟んで両側が
同じ圧縮空気で充填された
状態になりますので

安定した力(推力)が
得られやすいのです。

メータインだと
排気側は流量を絞らず
自由ですので大気圧に
なります。

それに対して
吸気側は流量を絞ってシリンダー内
へ圧縮空気が入るので

シリンダー内の力がなかなか
上がらず安定しません。

メータアウトを使う
デメリットもあります。

それは
ピストンヘッドの飛び出しが
起こる可能性があることです。

初期状態で
排気側の圧力が低い、もしくは
大気圧の場合、

絞らず自由に圧縮空気が入ってくる
吸気側との圧力差が大きくなるので
シリンダーヘッドの飛び出しが
起こる可能性があるのです。

その点、メータインでは
吸気側を絞りながら圧縮空気が
入るので、飛び出しを
起こりにくくできます。

単動形シリンダーでは

単動形シリンダーは
下図のように圧縮空気の
出入口が1つだけであり、

ピストンが戻るときは
スプリングの力で戻します。

単動形シリンダ

単動形シリンダ

単動形シリンダーでは
通常、メータイン制御で
ピストンロッドの出る速度を
制御します。

単動形シリンダのメータイン制御

単動形シリンダのメータイン制御

戻る方は、スプリング力で
変動しますが、戻る方も
制御したい場合は

メータインとメータアウトを
併用して使います。

吸気も排気も速度制御が
可能になります。

単動形シリンダのメータインとメータアウト併用

単動形シリンダのメータインとメータアウト併用

下写真のように
メータインとメータアウト併用の
デュアルスピコンも販売されています。

デュアルスピードコントローラ:SMC製

デュアルスピードコントローラ:SMC製

5.まとめ

シリンダーで負荷を動作時は
その速度を調整したくなることは
多々あります。

メータインとメータアウトの特徴等を
正しく知り、機械の快適な動作に
役立ててください。

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