「電気回路を読む」、「電気回路を設計する」
というと
その分野にまったく知見のない初心者の方にとっては
難しくハードルが高いことと思われるかもしれません。
電気回路と一口にいってもいろいろあります。
その中には設計したり理解するのが難しい回路もあります。
その電気回路の中でも有接点シーケンス制御(リレーシーケンス)の回路は
理解がしやすい分野だと思います。
(有接点シーケンス制御(リレーシーケンス)については⇒
リレーシーケンスとは何かを速習したい初心者のためのサイト)
シーケンス回路設計の基本中の基本は 実現したい制御のため
a接点とb接点を組み合わせる
それだけです。
それで複雑な動きをする機械の制御回路も設計されています。
このa接点、b接点を使った電気制御は
意識したことがないだけで小学生の頃に実践した人は多くいます。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.a接点について
2.b接点について
3.少し具体的にシーケンス回路設計の基本を考えてみる
4.C接点とは
1.a接点について
![シーケンス回路のa接点](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/asetu13.png)
a接点とは
a接点は絵で示したように、何もしないときは開いて接触していないが、
手を加えて動作させた時には、お互いが接触し閉じる接点のことです。
![シーケンス回路のa接点の説明](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/asetu21.png)
上は電池でランプを点灯させるイラストです。
ランプの点灯・消灯を自分で操作(制御)し、
ボタンを押した時だけランプが点灯するようにしたければ
a接点のボタンを電池とランプの電路にいれます。
a接点を使うことでランプを制御できたことになります。
2.b接点について
![シーケンス回路のb接点](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/bsetu11.png)
b接点とは
絵で示したように、何もしない時は閉じて接触していて、
手を加えて動作させた時は分離し開く接点をb接点といいます。
![シーケンス回路のb接点の説明](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/bsetu21.png)
上はランプを消灯させるイラストです。
ランプの点灯・消灯を自分で操作(制御)し、ボタンを押した時だけ
ランプが消灯するようにしたければb接点のボタンを電池とランプの
電路にいれます。
b接点を使うことでランプを制御できたことになります。
極めて単純な例ですが、a接点、b接点を使うことで電気制御が
できたことにはなります。
もっと複雑な電気制御をしたい場合は、a接点・b接点の数を増やす
そして、ボタンだけではなく電子タイマーやセンサーなど
様々な特徴をもった電気制御機器の接点を使うだけです。
この考え方がシーケンス回路設計の基本です。
3.少し具体的に
シーケンス回路設計の基本を考えてみる
例えば、本当に簡易ですがエレベーターを例に考えてみましょう。
扉の前でボタンを押す → 扉が開く → しばらくすると扉が閉まる →
行きたい階のボタンを押す →エレベーターが移動 →
エレベーターが行きたい階に止まる → しばらくすると扉が開く
このシーケンス制御をa接点とb接点を使って考えてみます。
①扉の前でボタンを押す→扉が開く
![シーケンス回路の説明1](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi12.png)
ここでは、ボタンを押すと扉が開くのでボタンの
a接点を使ってこのような回路をつくります。
青色は扉を開くための電動機械だと考えてください。
ボタンを押すことで「扉のボタンのa接点」が閉じて扉を開く電動機械に
電気が通じて機械が動作して扉が開きます。
②しばらくすると扉が閉まる
![シーケンス回路の説明2](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi21.png)
扉が開いてしばらくすると扉が閉まるわけですが、
扉が開きしばらく時間が経過したことが分からないと(認識できないと)
扉は閉める動作をおこせません。
開ききる前、開いてすぐに閉じるようでは
危険で乗れません。
機械(回路)に扉が開いたことを教える電気制御機器として
センサーを使います。
扉が開いたことをセンサーで検出します。
検出すればセンサーのa接点が閉じてタイマーに
電気が通じタイマーAが動作します。
![シーケンス回路の説明3](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi31.png)
タイマーAが動作を始めて設定した時間が経過すると
タイマーAのa接点が閉じます。
扉を閉める電動機械に電気が通じ扉が閉まります。
タイマーを使うことで「しばらく」の時間を作ることができました。
③行きたい階のボタン押す→エレベーターが移動→
エレベーターが行きたい階で止まる
![シーケンス回路の説明4](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi41.png)
エレベーターを移動させる電動機械の電路に、行きたい階のボタンの
a接点と行きたい階に着いたことを検出するセンサーのb接点をいれています。
行きたい階のボタンを押すことでエレベーターを移動させる機械に
電気が通じてエレベーターが移動を始めます。
次に行きたい階に着いたことを機械(回路)に教えるため
センサーを使っています。
行きたい階にエレベーターが着くとセンサーで検出します。
センサーのb接点は開きエレベーターを移動させる機械への
電気を遮断します。
そうすることでエレベーターは停止します。
④しばらくすると扉が開く
![シーケンス回路の説明5](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi51.png)
「しばらくすると」ですので、時間制御をする必要があります。
タイマーBを使います。
タイマーBの電路に先程使った「行きたい階に着いたことを検出するセンサー」の
「a接点」をここでは使います。
同じ電気制御機器が1つで複数個の接点を持つことはよくあります。
エレベーターが着くことで、このセンサーのa接点が閉じ
タイマーBが動作を始めます。
![シーケンス回路の説明6](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/elesi61.png)
タイマーBが動作を始めて設定した時間が経過すると
タイマーBのa接点が閉じます。
扉が開く機械に電気が通じ扉が開きます。
以上となりますが、接点やいろいろな電気制御機器を使うことで
目的の電気制御が実現できました。
実際のエレベーターのシーケンス回路は、
この例のように簡易的ではありませんが考え方は同じです。
このようにいろいろな特徴を持つ電気制御機器の接点を使って
機械を動かしていきます。
ここでは回路を5つ分けて書きましたが、
実際の回路図ではあわせて1つに書かれます。
複雑そうなシーケンス回路も分解すると
このようにいくつかの簡単な回路にできます。
それが組み合わさって複雑そうな回路ができています。
更に複雑な制御がしたければその分条件増えますので
回路や接点を増やしていきます。
これが基本の考え方です。
もし今まで機械に付いているシーケンス回路図が
難しいと思っていたならこういった考え方で見てみてください。
今までとは違った見え方がするかもしれません。
4.C接点とは
電気制御機器にはC接点をもった機器が多くあります。
![シーケンス回路のC接点](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2016/12/csetu11.png)
C接点とは
C接点は「切替端子」とか「切替接点」ともいわれます。
上の絵のように3端子(接点)ありその中に共通の端子(接点)があります。
共通端子を中心にa接点、b接点と切り替えができます。
当方では、実習用キット付の
有接点シーケンス制御教材も扱っております。
シーケンス制御を0から解説し、
機械の故障現場での対応ノウハウ、
ある程度のシーケンス図が読めるように
なる内容となっています。
実習では、このページで解説した
a接点、b接点を使って
基本回路を自分で配線接続して
動作させ習得していきます。
興味がありましたら、以下をクリックして
ご確認ください。
⇒80代も独学で学ぶシーケンス制御基礎とトラブル対応術が見につく秘密とは
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