このページでは三菱電機の
FXシーケンサで使う
アナログボリュームについて説明します。
アナログボリュームはFXシーケンサの
機種によっては標準で
付いているものもあります。
ない場合、もしくは増やしたい
場合は、別売である拡張ボードで
増設できます。
1.アナログボリュームとは
上写真はFX3Sのシーケンサの
内蔵アナログボリュームです。
そして、下写真は
増設外付する
アナログボリューム用ボードです。
見た目から分かるかも
しれませんが、
精密ドライバーなどを使って
ダイヤルをまわして使います。
アナログボリュームを使うことで
外部からプログラム内部の
数値を変更できます。
例えば、タイマーの時間や
カウンターの回数、
数値比較に使うデータレジスタの値など
アイデア次第で色々できます。
パソコンと専用ソフトを使えば
プログラムの変更はできますが
機械を使う運転士は専門家では
ないのでできないことが多いです。
アナログボリュームを使えば
運転士が都合にあわせて
調整できるわけです。
使い方として、
ただボリュームを回せば
いいわけではなく
応用命令を使って
プログラムしておく
必要があります。
2.D8030,D8031
下写真のように
アナログボリュームを2点
内蔵している機種もあります。
そのアナログボリュームの値は
特殊データレジスタへ
格納されています。
VR1はD8030、VR2はD8031に
格納されます。
アナログボリュームがあって
使っても、
プログラム内で
D8030やD8031を使わないと
プログラム動作に反映させることは
できません。
アナログボリュームの値は
0~255の範囲で調整できます。
下のラダー図で説明していきます。
緑枠
VR1の値はD8030へ格納されます。
VR1は200にして20秒のタイマーを
作りました。
(T1のタイマーは100mSタイマーなので
200×100msで20sです)
このようにタイマーの値でも
そのまま外部から調整できます。
赤枠
VR2の値はD8031へ格納されます。
アナログボリュームの値は
0~255の範囲しか設定できません。
それ以上に値が必要な時は
このように掛け算(MUL命令)するなり
して対処します。
そして、その値をMOV命令で
別のデータレジスタへ格納して
使います。
このように数値設定が目的で
使うのが基本ですが、
私は
ビットデバイスのように
ON/OFFでも使ったことが
あります。
入力リレーの余りがなかったので
VRをボタン代わりに使いました。
左一杯にまわす➡0
右一杯にまわす➡255
VRの値が
0~123ならAの動作
124~255ならBの動作
こういった条件で使いました。
3.VRRD命令とVRSC命令
前項のような
内蔵アナログボリュームではなく
下写真のような外付けの
拡張ボードの説明をします。
アナログボリュームの値を
プログラム内に取り込むときは
VRRD命令かVRSC命令を
使います。
VRRD アナログボリューム読出し
VRRD命令はアナログボリュームの値を
そのまま取り込み命令です。
値は内蔵アナログボリューム同様に
0~255です。
上記が基本となる記述です。
K3はボリュームの番号を示します。
8点だと0~7が入ります。
D0はデータレジスタで
3のアナログボリュームの値を
BIN値変換してD0に格納します。
0~255なので、それ以上の値が
必要な場合は前項同様に
D0に掛け算をして対応します。
VRSC アナログボリューム目盛
前項のVRRD命令は
0~256の値を取り込みますが
VRSC命令はボリューム目盛で
0~10の値を取り込みます。
上記が基本となる記述です。
内容は前項のVRRDと同じです。
注意としては必ずしも
目盛と切替位置が一致は
していないことです。
4.まとめ
数値は
デジスイッチやタッチパネルを
使って入力することができます。
(デジスイッチについては
以下のサイトを参考ください。
→デジスイッチとPLCでの使い方の基本)
これらはデジタルなので
正確に数値を入力できますが
入力点数をとったり、コストが
かかったりします。
ボリュームを回して機械の動作を
確認しながら適度に調整すればいい
用途ならアナログボリュームの方が
お手軽です。
当方ではこのページにも関連する
初心者向のシーケンス制御の教材も
扱っていますので
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ご確認ください。
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