このページではインピーダンス
とは何かについて書いています。
電験等の参考サイトや対策本
のように数式を多用せず
どのようなものなのかを
言葉で説明しています。
数式で理解したい方には
向かないページだと思います。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.インピーダンスとは
2.直流とインピーダンス
3.交流インピーダンス
4.インピーダンスの求め方
5.まとめ
1.インピーダンスとは
インピーダンスとは
抵抗のことです。
では、なぜ普通に抵抗と
呼ばないのでしょうか?
インピーダンスと抵抗の違い
インピーダンスは
交流電源に対する
抵抗のことです。
分かりにくいですね。
今書いた抵抗とは
電流の流れを妨げる意味の
抵抗です。
電熱器具やプリント基板に
つける抵抗負荷や抵抗素子では
ありません。
(以後区別のため、抵抗体と書きます)
その抵抗体も交流の電流の流れを
妨げますが
コンデンサやコイルも
交流電流の流れを妨げる抵抗に
なります。
それらをあわせて
インピーダンスと呼んでいます。
直流とは違い、交流の場合は
抵抗体の他にコイルとコンデンサの
抵抗も考える必要があるのです。
2.直流とインピーダンス
コンデンサ、コイルは
交流では抵抗となると
書きましたが直流では
どうでしょうか?
直流回路にコンデンサ
コンデンサは電荷を
蓄える電気部品、受動素子です。
受動素子とは供給された電力を
消費・蓄積・放出する素子の
ことです。
コンデンサは例えるなら
バケツのようなものです。
水ではなく電荷(電気)を
貯めて、必要時に使うわけです。
バケツに大きさがあるように
コンデンサにも大きさ(容量)が
あり、
大きさ(容量)が大きいほど
多くの電荷(電気)を
蓄えることができます。
上の電気回路図のように
コンデンサに直流電源を
接続すると
電源を入れた瞬間は電流は
流れます。
それは、コンデンサに電荷を
蓄えるための電流です。
コンデンサの容量分蓄えると
それ以上電流は流れません。
コンデンサは直流電流は
流さない(通さない)
ということです。
直流回路にコイル
上絵のようにコイルは
導線を巻いたものです。
コイルについては以下の
ページで解説していますので
ご参考ください。
⇒ソレノイドーとは、基本を理解する6項目(とは何か?、コイル、仕組み、動作)
上の電気回路図のように
コイルに直流電源を
接続すると
普通の抵抗体となり
その導線の抵抗Ωに応じた
直流電流が流れます。
コイルは直流電流を
流す(通す)ということです。
まとめ
直流では、コンデンサは
電流が流れない、
コイルは普通の抵抗体に
なるだけで特別何かに
なるわけではありません。
3.交流インピーダンス
交流回路でも抵抗体は
普通に抵抗として作用します。
交流回路でも抵抗体は
直流と同様の抵抗体として
抵抗となります。
では、コンデンサとコイルは
どうでしょうか
交流回路にコンデンサ
コンデンサは直流と違い、
交流では電流を流しますが
流しにくくする抵抗としては
作用はします。
電流の大きさは交流電源の
周波数により変動します。
周波数が低ければ電流は
流しにくく、
周波数が高ければ
流しやすくなります。
そのまま覚えればいいことですが
私は、周波数が高いことを
速度が速いととらえ、
速いので突き抜けるとイメージします。
交流回路にコイル
コイルは交流でも電流を
流しますが、直流よりも
流しにくく作用します。
これは、コイルは電流(磁束)
の変化を妨げる作用があることに
よります。
これについては以下の
ページで説明していますので
ご参考ください。
コイルもコンデンサ同様に
交流の周波数により
流しにくさが変わります。
先に
変化を妨げる作用があると
書きました。
周波数が高い方が変化が大きい、
それを妨げるということで
周波数が高い方が
電流の流れを妨げる抵抗として
作用します。
まとめ
交流では
コンデンサ、コイル共に
抵抗として作用しますが
電流は流します。
コンデンサは
周波数が高い方が
コイルは
周波数が低い方が
流しやすくなります。
このような交流における
コンデンサ、コイルの
抵抗の働きを
リアクタンスといいます。
リアクタンスについては
以下のページでも
説明していますので
ご参考ください。
4.インピーダンスの求め方
交流回路では
抵抗体、コンデンサ、コイルが
抵抗として作用し、
その合算が
インピーダンスとなります。
そのインピーダンスの求め方は
抵抗体と同じ要領です。
回路中の抵抗体を
全てあわせた合成抵抗の
求め方については
抵抗体の直列、並列接続共に
中学校の理科で勉強したかと
思います。
計算は、それよりも
難しいですが、同じ要領で
抵抗体、コンデンサ、コイルの
合計したインピーダンスを
求めます。
求めるときは
複素数や高校で勉強するような
数学の公式なども使います。
5.まとめ
文字だけの説明だったので
何となく分かった感じに
なっただけかもしれませんね。
実験をして確認すれば
腹におちて分かるでしょうけど。
このページは計算等は
していませんが電験3種の
参考書などでは
計算問題があります。
次のステップとして
解いてみてもいいかと
思います。
このページで説明した
電気回路とは区別が違いますが
このサイトではシーケンス回路の
講座もページもあります。
以下のページを参考ください。
あと、当方では
機械の故障対応に役立つように
作成した
シーケンス制御教材も
ありますので、興味があれば
以下をクリックしてご確認ください。
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私は、水中音響に関する調査関係の仕事をしておりますが、音響学で、「音響インピーダンス」ということばでてきます。
電気のインピーダンスと考えかたは似ているのでしょうか。水中音の公式がありますが、今一つ理解できません。
先生が、ここでご説明いただいたような、ことばで理解できますと、進むような気がします。
因みに、私は水中音が、魚に与える影響(生理学的、行動学的。。)を少しかじっています。
ご専門外で申し訳ありませんが、ご意見やコメントをいただけると大変ありがたく思います。
こんにちは、私は音響は専門ではありませんが
ちょっと調べた限りでコメントします。
専門外でもありますので参考までとして
間違いがあってもご了承ください。
音響インピーダンスとは、音響エネルギーが
物質を通過する際に遭遇する「抵抗」のことを指します。
これは、電気のインピーダンスと似た概念です。
電気のインピーダンスは、電流が回路を通過する際の抵抗で、
音響インピーダンスも同様に、音波が物質を通過する際の抵抗を表します。
もし電気インピーダンスが道路の交通の流れを制限する交通渋滞に例えられるなら、
音響インピーダンスは音の波が物質を通過するときの「渋滞」を表します。
すなわち、音波が物質を通過するときに、
物質が音波にどれだけ抵抗を示すかを示す指標です。
水中音響についても同じ考え方が適用できます。
水中の音響インピーダンスは、音波が水を通過する際の抵抗を表します。
水は空気よりも密度が高いため、
音波が水を通過する際の抵抗は空気を通過する際よりも大きいです。
水中音が魚に与える影響に関心があるとのことですので、
音響インピーダンスを理解することは非常に役立つとは考えます。
魚は音を使って周囲の環境を感知しますが、
水中の音響インピーダンスが変化すると、
魚が感知する音の特性も変化します。
たとえば、水の温度や塩分濃度が変化すると、
音響インピーダンスが変化し、
これが魚の感知する音の特性に影響を与える可能性があります。
音響インピーダンスという概念を理解することで、
音が水中でどのように伝播し、
その変化が魚にどのような影響を与えるかを
理解するのに役立とは思います。