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有効電力、無効電力、皮相電力:分かりやすく電気屋なら知っておきたいことを解説

このページでは交流電力の
有効電力、無効電力、皮相電力について 
初心者の方を対象に極力数式を使わず
わかりやすく解説します。

数式が分かるに越したことは
ないですが、まずは
この3つの電力がどのようなものなのか
その違いを知ることが重要です。

電気は電力会社から交流で
送電されていますし、
ほとんどの電気機器は
交流を電源にしています。

そのためテーマである交流の
有効電力、無効電力、皮相電力は
電気に関わると頻出する
キーワードです。

内容や違いを理解してないと 
いつか意味が分からず困ることや
電気屋の会話が理解できない場面に
遭遇する可能性はあるでしょう。

電気には直流と交流があります。

直流とは違い、
交流は初心者のうちは
理解しずらい部分もあるかと
思います。

まずは
こういったものだという
感じをつかんでもらえば結構です。

1.簡潔にいうと

まずは、皮相電力、有効電力、
無効電力を簡潔に説明します。

交流は、負荷によっては
電源からのエネルギー(電力)を
全て負荷で消費しません。

(負荷とはモーターや照明、ヒーター
などのことです。)

負荷で実際に使った(消費した)
エネルギー(電力)が有効電力、

電源から送られたが負荷で
使わなかったエネルギー(電力)が
無効電力、

電源から送られたエネルギー(電力)が
皮相電力です。

100のエネルギーを送っても
70しか使わないといったことが
起こるわけです。

2.なぜ、無効電力ができるのか

無効電力がなくなり、
全て負荷で消費されれば効率が
いいですよね。

なぜ、無効となる電力が
発生するのでしょか?

まず、直流では発生しません。

交流でも負荷によっては
発生しません。

負荷には、抵抗分と
コイルやコンデンサといった
リアクタンス分があります。

リアクタンスについては
以下のページで説明していますので
このページの説明で理解しきれない部分は
参考にしてください。

リアクタンスとは

個々の負荷の電力について
説明していきます。

抵抗

抵抗の電圧/電流波形

抵抗の電圧/電流波形

上図は交流電源で負荷が
抵抗の時の電圧と電流波形です。

電圧と電流が時間差なく
同じように増減します。
(時間差がない、は電気の世界では
位相がずれない、とかいいます)

電力は電圧×電流です。
(P=IV)

電力の波形は下図のように
なります。

抵抗の電力波形

抵抗の電力波形

マイナスの電圧と電流を
掛け算なので
電力はプラスになります。

この波形か電力は全てプラスで
電源から負荷へ全て送られ
戻ってくるもの(マイナス)は
ありません。

コイル

コイルの電圧/電流波形

コイルの電圧/電流波形

上図は交流電源で負荷が
コイルの時の電圧と電流波形です。

コイルは抵抗と違い電圧と電流に
時間差(位相差)が発生します。

電力波形は下図になります。

コイルの電力波形

コイルの電力波形

抵抗とは違い電圧と電流が
ずれていますので、掛け算すると
マイナスになる電力が発生します。

プラスとマイナスの電力は同量に
なります。

つまり、負荷がコイルの場合
電源から送り出された電力は
消費されず、戻ってくると
いうことです。

コンデンサ

コンデンサの電圧/電流波形

コンデンサの電圧/電流波形

上図は交流電源で負荷が
コンデンサの時の電圧と電流波形です。

コンデンサはコイル同様に電圧と電流に
時間差(位相差)が発生します。

電力波形は下図になります。

コンデンサの電力波形

コンデンサの電力波形

電圧と電流が
ずれていますので、掛け算すると
マイナスになる電力が発生します。

プラスとマイナスの電力は同量に
なります。

コイル同様、負荷がコンデンサの場合
電源から送り出された電力は
消費されず、戻ってくると
いうことです。

無効電力とは

ここまでは
抵抗、コイル、コンデンサ
個別に見てきました。

実際の負荷(機器)は
抵抗分だけの負荷もあれば
抵抗、コイル、コンデンサを
含む負荷(機器)もあります。

これらが混じったらどうなるか、

実際の電気機器の電力波形

実際の電気機器の電力波形

上図の波形のように
送られた電力が全て消費されず、
全て戻ってこなくなります。

戻ってくる電力が
無効電力になるのですが
機器にあるリアクタンス分に
よって発生します。

この図では無効電力は
消費される電力よりも小さいですが
発生しています。

無効電力が発生する機器は
色々ありますが、最も身近では
モーターがあります。

モーターは色々な機械/設備に
使われています。

モーターにはコイルがありますので
無効電力は発生します。

3.有効電力と消費電力

前項では、

無効電力について説明しましたが、
説明中で、プラスになる電力は
電源から負荷へいき消費されると
書きました。

その電力が有効電力になります。

負荷が抵抗の場合は、
全て有効電力になります。

有効電力というと普段聞かない
キーワードかもしれませんが
消費電力というとどうでしょうか?

身近ならテレビや冷蔵庫などの
電気製品の消費電力は〇kwで
省エネです、 とか

宣伝されている広告とか
見ませんか?

産業機器なら、例えば
三相誘導電動機(モーター)に
5.5kwとか22kwなどいろいろな容量の
商品があります。

この容量は消費電力にあたります。

この消費電力が有効電力に
あたります。

実際に機器で使われる(消費)される
エネルギー(電力)です。

消費電力が少ない電気製品は
使われる電力が少ないので
省エネということになります。

4.皮相電力とVA

皮相電力は電源から
送り出される電力のことです。

2項の無効電力の中で
負荷で消費される電力(プラス)と
電源へ戻ってくる電力(マイナス)を
説明しました。

この2つの電力が
皮相電力ですね。

例えば、消費電力が200Wの
電気機器を動作させる場合、

100Vの電源だと2Aの電流で
200W(100×2)になりますが
電源からは機器には2.4Aが
流れている

これは無効電力があり
電源からは皮相電力が送り出されて
いることになりますね。

有効電力(消費電力)の単位は
W(ワット)ですが
皮相電力の単位は
VA(ブイエー)です。

消費される電力ではなく
電源から送り出す電力なので
単位を変えています。

トランス(変圧器)は
電気を送り出す電気機器です。

ですので性能は〇VAと書かれます。

モーター(電動機)は
電気を消費する電気機器です。

性能は〇Wと書かれます。

5.問題点と対策

皮相電力(無効電力)が大きくなると
電源からの電流が大きくなります。

電流が大きくなると、それに
あわせた大型の機器や電線を
使う必要がでてきます。

柱上変圧器

柱上変圧器

上写真のような
電柱の柱上トランスからの
工場や事業所への引き込む
電線等も太くするということです。

コストがかかりますので
電力会社から無効電力を
低減する対策を
求めらることがあります。

無効電力は、交流の電圧と電流の
時間差(位相差)から発生しているので
その差を低減する対応策として
進相コンデンサを使います。

進相コンデンサの例

進相コンデンサの例

上写真が進相コンデンサですが
分電盤内のブレーカーに
付けられいるのを見たことは
ないでしょうか?

この写真では負荷がモーターの
ブレーカーに取り付けています。

(ブレーカーについては
以下のページを参考ください。
→ブレーカーとは)

6.最後に

このページでは、3つの交流電力に
ついて説明しました。

有効電力、無効電力、皮相電力には
計算式や数式もありますが、
それは持ち出さないようにしました。

初心者の方には、
まずどのようなものなのか
違いは何か、などの
感じをつかんでほしかったからです。

COSΘやsinΘを含んだ計算式については
別サイトや参考書に譲ろうと
思います。

このページを読んで
何となくでも理解できたなら
幸いです。

あと、ついでに。

この3つの交流電力に関わると
よく聞くキーワードとして
力率があります。

力率が良いとは
無効電力が少ないということです。

ご参考までに。

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