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ブレーカー を12項目で解説(とは何か、MCCBとの違い、特性など)

ブレーカーの一例

このページはブレーカーについて
説明しています。

ブレーカーとは何かから、機能、
配線用遮断器など他の呼び方との違い、
特性や引き外し方式など
数項目にわたり解説します。

ブレーカーは事故を防ぐ重要な電気機器であり
家庭にも設置され誰でも関わる機会が
あります。

にもかかわらず、何のためにあるのかを
知らない方は結構います。
(さすがに電気屋さんは知っていますが)

電気屋の初心者の方は全て見てほしいですが
電気屋以外でも何のためにあるかぐらいは
知っておいていいと思います。

ブレーカーとは

ブレーカーの一例

ブレーカーの一例

上写真はブレーカーの一例です。

あなたも1度は似たものを
見たことがあるのではないでしょうか。

簡単に役割をいうと

ブレーカーの役割をわかりやすくいうと、
下絵のように1次側と2次側の電路を
遮断することです。

ブレーカーON時:導通/通電する

ブレーカーON時:導通/通電する

ブレーカーのレバーが上がっていれば
1次側と2次側は導通状態で
電気が通じます。(電流が流れる)

ブレーカーOFF時:非導通/通電しない

ブレーカーOFF時:非導通/通電しない

レバーが下がっていれば
非導通で電気は通じません。
(遮断状態)

2次側に使いたい電気製品を
接続するので、レバーが下がれば
その電気製品は動作しません。

家庭でも、テレビがつかない時とか
ブレーカーのレバーが下がっていた
ことはないでしょうか、

そして、上げると使えるように
なりますね。

手動と自動

ブレーカーのレバー

ブレーカーのレバー

ブレーカーはレバーを手動で
上下することができますが、
自動でも下がります。
(自動では上がりません)

ブレーカーを使う目的は
自動で下げる(遮断)するための
意味合いが強いです。

電気を入れて電線や製品に
電流が流れると熱を持ちます。

スマホとかでも熱くなることが
ありますが、あれはスマホ内で
電流が流れることで熱を持って
熱くなっているのです。

許容できる以上の電流が流れ続けると
大きな熱を持ち結果、
煙を出す、発火するなどして
事故になります。

ブレーカーは許容できる以上の
電流が流れると事故を防ぐため
自動的にレバーが下がって
電気を遮断するのです。

このあたりは、後でもっと詳細に
説明します。
(ここではあくまで簡単に書いています)

電路を遮断するだけなら
ブレーカー以外にも遮断器はあります。

ブレーカーは、このように
自動的にも遮断して事故を防ぐために
使用します。

どこで使われるか

ブレーカーは電気を安全に使うために
絶対必要な機器なので
電力供給する箇所では必ず1台は
使われています。

家庭にもある分電盤や
工場などの事業所にある配電盤、
機械制御に使う制御盤にも
必ず使わています。

(分電盤については
以下のページを参考ください。
→分電盤とは)

(制御盤については
以下のページを参考ください。
→制御盤とは)

下写真のように、1台だけではなく
AT(定格電流)の大きいメイン(主幹)ブレーカーと
複数の分岐用のブレーカーが
使われていることも多いです。

(ATについては後述します)

制御盤内のブレーカー

制御盤内のブレーカー

分電盤内の銅バー

分電盤内の銅バー

家庭にある分電盤も複数の
分岐用のブレーカーがありますね。

ブレーカーが落ちる原因と上げ方

ブレーカーのレバーを下げることを、
「ブレーカーを落とす」 という言い方をします。

ブレーカーは自動でも
レバーが下がります。

自動は「ブレーカーが落ちた」という
言い方をします。

ブレーカーが自動で落ちる原因は、
過電流(過負荷)か、短絡です。

後述しますが、
ブレーカーを使う主目的は
2次側に接続する電線を
焼損から保護することです。

接続する電線が焼損せず、
流し続けれる電流値を
許容電流とか定格電流といいます。

過電流は、許容電流以上の
電流をいいます。

短絡は、許容電流を遥かに超える
大電流が流れます。

過電流・短絡電流、どちらも
流し続けると電線を焼損させます。

その焼損から保護するために、
ブレーカーは自動で落ちることで
電路を遮断するのです。

ブレーカーが落ちていたら、
過電流(過負荷)か、短絡したと考えます。

ブレーカーの上げ方ですが、
下写真のように、
レバーが中間で止まっています。

レバーは中間に位置

レバーは中間に位置

そのまま、
レバーを上げても、上がらず
中間に戻ります。

上げ方は、
一旦、レバーを下に下げます。

すると「カチ」という音と
元も戻った、手ごたえがし、
レバーが下で固定されます。

その状態で、
レバーを上げます。

一旦下げて、上げる

一旦下げて、上げる

配線用遮断器、MCCB、MCB、NFBとは、ブレーカーとの違いは

ブレーカーと同じような役目、外見なのに
ブレーカーとは違う名称で呼ばれることが
あります。

その名称は
配線用遮断器、MCCB、MCB、NFBなどです。

これらとブレーカーは何が違いは何か?

結論、全てブレーカーと同じです。

呼び方が違うのです。

このページでは、最も聞きなれている
ブレーカーの名称を使っています。

配線用遮断器

ブレーカーという名称以外では
配線用遮断器が最も使わているように
思えます。

ブレーカーは、配線(電線)を
過剰な熱から保護することを
主目的で使います。

「配線用」遮断器という名称からも
目的がうかがえます。

MCCB

MCCBは
「Molded Case Circuit Breaker」
の略です。

モールドケースに入っている

モールドケースに入っている

上写真のように、ブレーカーの部品は
モールドケースに入っています。
(Molded Case)

Circuitは電気回路の意味です。

MCB

MCBは
「Miniature Circuit Breaker」
の略です。

家庭に使われる小型のブレーカーに
限定した名称です。

Miniature 模型という意味からも
分かりますね。

NFB

NFBは
「No Fuse Breaker」の略です。

この名称の由来は
1933年に三菱電機が初めて
ブレーカーを製作し

従来のようにヒューズを
使わないことから
ノー ヒューズ ブレーカーと
命名しました。

三菱電機のブレーカーの商品名と
して使われますし
名称が浸透し、三菱電機以外の商品でも
このように呼び人はいます。

参考までに

NFBは、ヒューズを使わない
遮断器です。

それまでは下写真のように
ヒューズを使う遮断器が
使われていました。

カバースイッチとヒューズ

カバースイッチとヒューズ

ブレーカーの方が便利ですし
トラブルも多いので
現代は新規で使われることは
ほぼありません。

古い工場でしか見なくなりました。

詳細は以下のページで説明していますので
ご参考ください。

→ナイフスイッチ、カバースイッチとは

AT(アンペアトリップ)とは

ブレーカーの選定において
最も重要なAT(アンペアトリップ)
について説明します。

1項「ブレーカーとは」で
許容できる電流値以上が流れ続けると
自動的に遮断すると
書きました。

この「許容できる」電流値は
一様ではなく電線や電気製品によって
違います。

ブレーカーは2次側の電線の許容できる
電流値に応じて遮断する電流値を
変えて使います。

太い電線の方が許容できる電流値は
大きいです。

200A許容できる電線に対して
30Aで遮断するブレーカーを
つけると、その電線が生かせなくなります。

太い方が値段も高いですし
コスパが悪すぎます。

この場合は200A付近で遮断する
ブレーカーを選定することが
その電線の能力を発揮させることに
なります。

この自動遮断する電流値を
AT(アンペアトリップ)といいます。

ATは定格電流と呼ばれることもあります。

ブレーカーがおちることを
トリップともいうので
この名称となっています。

ブレーカーのAT(アンペアトリップ)

ブレーカーのAT(アンペアトリップ)

上写真のようにブレーカー本体に
大きく〇Aを書かれています。

それがATです。

電気屋は
その都度、適したAT値の
ブレーカーを選定して使っています。

10A、15A、20Aといったように
色々なAT値の商品がありますので
カタログなどで見て選定します。

AF(アンペアフレーム)

ブレーカーにはATとは別に
AF(アンペアフレーム)という
規格があります。

AFは
ブレーカー流せる最大定格電流、そして
大きさの指標となる数値です。

AFには30AF,50AF,60AF,75AF,
100AF,125AF,150AF,225AF,・・・・
600AF,・・・・・

と多種あります。

最大定格電流とは

最大定格電流はブレーカーに
流すことができる最大電流値のことです。

ATとの違いは、
ATは電路を遮断する電流値の基準、
AFは流すことができる最大電流
という違いになります。

AT値で遮断するとしても
遮断までに多少なり時間が必要ですので
短絡などの場合AT値以上の電流は
ブレーカーに流れます。

AF値以上の電流が流れると
ブレーカーが損傷・故障する等します。

AFはブレーカーが安全に電流を遮断できる
上限値といえます。

大きさの指標

上写真は30AFと100AFの
ブレーカーです。

明らかに大きさが違いますね。

AFは大きさの指標となります。

大きな電流に耐えれる分
構造も大きくなります。

選定

選定は短絡時等の予想最大電流を
計算して選ぶのが良いですが
分電盤や制御盤に付ける場合は
それほど気にしたことはありません。

いちいち計算はせず
経験則から選んでいます。

AFが大きなブレーカーは
壊れにくいですが、外形も大きく
値段も高いです。

ATを中心で選び、
まだブレーカーが新しいのに
故障する場合は
AFを上げるなりして対応しています。

反時限特性と瞬時特性

ブレーカーがおちる(トリップする)
電流値であるATについて説明しました。

ブレーカーは、そのATの電流値以上が
流れると必ずトリップするかといえば
そうではありません。

AT値はトリップの
基準値として考えます。

なぜ基準なのか、では何Aなら
トリップするのか、
どういった条件でトリップするのか
について説明していきます。

反時限特性、反時限引き外し特性

標準的なブレーカーは、ATでは
動作し
ないようにつくられています。

そして、ATよりも高い電流値であっても
その値によっては、トリップするまでに
時間を設けています。

JIS-C-8201では
例えば、30A~50AのATの場合
2倍の電流値で4分以内、
1.25倍の電流値で60分以内に
トリップするように定められてます。

実際は、どれくらいで動作するかは
ブレーカーにより違うので
カタログ等に記載されている
動作曲線で確認できます。

(動作曲線については
後述します。)

私がよく使うATが40Aの
ブレーカーなら
2倍で40秒~4分、
1.25倍で6分~40分になっています。

このように、電流値増加に対して
トリップまでに作動時間が短くなる
特性を反時限特性といいます。

ブレーカーの場合は、
ブレーカーを遮断することを
引き外しともいいますので
反時限引き外し特性とも
いわれています。

反時限特性と始動電流

ブレーカーの2次側には
電気機器、製品が接続されますが

中には三相誘導電動機やトランスの
ように、起動時の数秒間だけ
定格電流の数倍以上ので電流が
流れる電気機器もあります。

(三相誘導電動機については
以下のページを参考ください。
→三相誘導電動機(三相モーター)とは)

この起動時の大電流を
始動電流とか起動電流、
突入電流とかいいます。

もし、ブレーカーのATを超えると
すぐにトリップする動作特性なら、
三相誘導電動機を始動する度に
トリップしてしまいます。

三相誘導電動機の始動電流値以上の
ATのブレーカーを選定するなら

定常的に流す電流値よりも遥かに
高いAT値のものを選定する必要がでることから
経済的にも・実使用的にも適しません。

この反時限特性のおかげで
数秒間だけ流れる始動電流で
トリップせずに使えるのです。

電線は大丈夫?

電線は
電線の許容電流を超える電流が
流れても、瞬時に熱を持ち
煙がでるものではありません。

瞬時特性と瞬時引き外し特性

ブレーカーは、反時限特性と同時に
瞬時特性があります。

ブレーカーは電線を短絡事故からも
保護します。

短絡は瞬時に大電流が流れます。

始動電流の比ではありません。

即トリップさせないと
電線を焼けてしまいます。

AT値の何十倍の電流が流れると
瞬時にトリップさせて電線を
保護します。

私がよく使うATが40Aの
ブレーカーなら
30倍で0.006秒~0.06秒に
なっています。

注)短絡事故に限りません。
  
この特性が瞬時特性で
ブレーカーの場合は
瞬時引き外し特性とも
呼ばれます。

動作曲線

ブレーカーの動作曲線:テンパール B-52EC

ブレーカーの動作曲線:テンパール B-52EC

上表は
ブレーカーのメーカーの1つ
テンパール工業のB-52ECの型式の
動作特性曲線です。

ATが15A、20A、30Aの曲線と
40A、50Aの曲線が書かれています。

それぞれ
最小曲線と最大曲線があります。

この範囲内でトリップすると
いうことです。

反時限特性の領域と瞬時特性の領域が
あることが曲線から分かります。

ブレーカーが意図通りトリップしない
時などは曲線を見て選定もする必要は
ありますが、

通常使用では、
曲線を見て選定することはせず、
そのメーカーの標準品を使っています。

レバーが上がらない、すぐおちる場合

ブレーカーが落ちていた状態で、
レバーを上げても、再度落ちる場合は、
過電流か短絡状態だからだと
考えられます。

元々、過電流か短絡で落ちたので、
解決しないと、再度落ちるのは
当然です。

短絡の場合は、AT値より遥かに大きい
電流が流れるので
前項の動作曲線から分かるように
瞬時に落ちます。

ですので、レバーを上げても 
その直後に落ちます。

過電流の場合は、AT値と比較して
電流値が大きいほど、早く落ちます。

短絡ほど、瞬時ではなく
しばらくして落ちます。

過電流、短絡の原因を解決して、
上げてください。

ブレーカーの故障で
レバーが上がらないことも
あります。

その場合は、経験上、レバーを触ると
ブラブラして、バネも効いてなく
何にも引っ掛かってない感じがします。

この場合、一旦、レバーを下げても
下がった位置で、固定もされません。

そのまま、ブラブラした状態が
保持されています。

触った感覚が、明らかに違うので
分かると思います。

引き外し方式

ブレーカーが遮断することを
引き外しともいいます。

引き外しの原理、仕組みの違いから
熱動式、電磁式、熱動電磁式、電子式に
分類されます。

普段意識して使うことは
あまりないですが、参考として
紹介しておきます。

熱動式

内部にバイメタルがあり
過電流の熱によりバイメタルの
わん曲を利用して引き外しを
行う構造です。

後述する安全ブレーカーでは
この引き外し方式が使われることが
多いです。

同じくバイメタルのわん曲を
利用している電気制御機器として
サーマルリレーがあります。

以下のサーマルリレーのページでは
バイメタルの動作についても
書いていますのでご参考ください。

→サーマルリレーとはとは

電磁式

電磁力により引き外しを行う。

コイルに過電流が流れることで
固定鉄心に磁力を発生させ
可動鉄心を引き寄せ、その磁力の変化で
可動鉄片が動作し引き外す。

短絡などの大電流の場合は
大きな磁力が発生し即座に
可動鉄片が動作し引き外す。

熱動電磁式

反時限領域の過電流が流れた場合は
熱によるバイメタルのわん曲を
利用して引き外し、

短絡などの大電流の場合は
大きな磁力を発生させ可動鉄心を
吸引して遮断する。

電子式

過電流検出、演算、制御、引き外し指令などの
機能を電子回路で行う方式。

用途別の種類

ブレーカーは色々と種類があります。

給電する電源(単相や三相など)、
用途により使い分けます。

ここでは、どういった種類があるのかを
紹介します。

まずはPとEについて説明

ブレーカーを見ると3P3Eとか
2P1Eといった表記がされています。

Pは極数、
EはElement-エレメントの意味です。

極数は接続する電源線の本数、
Eは過電流検出機構であり
素子とも呼ばれます。

三相電源だと電源線は3本ですので
極数は3ということになります。

2P1Eは1極、2P2Eは2極で、3P3Eは3極で
過電流検出を行います。

安全ブレーカー

安全ブレーカー

安全ブレーカー

上写真が安全ブレーカーです。

分電盤の分岐用ブレーカーとして
使用されます。

分電盤は工場などの事業所だけではなく
一般家庭にもあります。

あなたの家のコンセントや
エアコンの電源線は、
この安全ブレーカーに接続されています。

安全ブレーカーは
2P1Eと2P2Eがあります。

2P1Eと2P2Eの安全ブレーカー

2P1Eと2P2Eの安全ブレーカー

家庭の単相100V、単相200Vは
単相三線式で給電されます。

単相三線式

単相三線式

2P1EはL1-N間、L2-N間の100Vの
2P2EはL1-L2間の200Vの
ブレーカーとして使います。

2P1Eの素子がない端子「N」の印字

2P1Eの素子がない端子「N」の印字

2P1Eの安全ブレーカーの1極は
上写真のように「N」とか「W」と
書かれています。

この書かれた端子の方に
中性線Nを接続します。

単相三線式ブレーカー

単相三線式ブレーカーの例

単相三線式ブレーカーの例

上写真は単相三線式で使う
ブレーカーです。

単相三線式ブレーカーは
3P2Eです。

「N」と印字してある端子(極)に
E(素子)がありません。

中性線NはNの端子に接続する

中性線NはNの端子に接続する

配線接続は、
Nの端子に中性線を接続します。

三相三線式ブレーカー

三相三線式ブレーカーの一例

三相三線式ブレーカーの一例

上写真は三相三線式ブレーカーの
一例です。

3P3Eのブレーカーです。

モーターブレーカー

三相モーター(三相誘導電動機)に
三相モーターの定格電流以上の電流が
流れ続けると固定子コイルが焼損し
故障します。

(固定子コイルの焼損については
以下のページを参考ください。
→固定子コイルの故障)

標準ブレーカーでは
コイルの焼損保護の機能はないので
サーマルリレーを併用して保護をします。

それに対して
モーターブレーカーは三相モーターの
焼損保護の機能もあわせもつ
ブレーカーです。

モーターブレーカーの一例

モーターブレーカーの一例

上写真の赤枠の〇kw相当と
書かれているように、
保護したい三相モーターの容量に応じて
モーターブレーカーを選定します。

電気制御回路内で
三相モーターは電磁接触器を使って
動作させることが多いです。

制御回路ではなく単独で
ブレーカーを使って三相モーターを
動作/停止させたい時に
モーターブレーカーは使われることが
多いです。

(電磁接触器については
以下のページを参考ください。
→電磁接触器とは、電磁開閉器とは何か)

サーキットプロテクタ(CP)

CP(サーキットプロテクタ)の例:富士電機製

CP(サーキットプロテクタ)の例:富士電機製

上写真は
サーキットプロテクタ(CP)の一例です。

CPはcircuit protectorの略です。

サーキットプロテクタは
ブレーカー同様に過電流を検出して
電路を遮断(トリップ)して
2次側を保護します。

サーキットプロテクタは
ブレーカー(配線用遮断器)のように
配電盤、分電盤のブレーカー(メインブレーカー)の
ように配線(電線)を保護するためではなく
制御回路や電気を保護するために使用されます。

制御回路全体、あるいは個別に制御回路内の
PLC(シーケンサ)などの電子機器、電気部品など
保護するために使われます。

(PLC(シーケンサ)については
以下のページを参考ください。
→PLCとは、シーケンサとは)

AT(定格電流)も0.05A~製品があり
交流(AC)だけではなく
制御回路ではよくある
直流(DC)でも使えます。

瞬時形、高速形、中速形、低速形が用意されており、
過電流に対してどうトリップさせたいか
選択でき、モーターやトランスの
始動電流も遮断することができます。

小型なので制御盤内で
スペースをとることもありません。

通常のブレーカーでは使えない用途で
使えるということですね。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーの一例:テンパール

漏電ブレーカーの一例:テンパール

上写真は
漏電ブレーカーの一例です。

漏電ブレーカーは
漏電遮断器とも呼ばれます。

通常のブレーカーの機能に加えて
漏電に対する保護も行います。

漏電ブレーカー(漏電遮断器)については
以下のページを参考ください。

→漏電ブレーカー、遮断器とは

協約形と経済形とは

ブレーカーのカタログ等に
「協約形」や「経済形(経済タイプ)」と
書かれているの見ることがあると
思います。

それらがどういう意味なのかを
解説します。

協約形

JIS規格によって形状が定められた
ブレーカーが協約形です。

ですので、メーカーに関わらず
形状・取付寸法が同じです。

これによるメリットは、違うメーカーの
ブレーカーでも、何もせずに
取付ができることですね。

写真のような
分電盤で考えてみてください。

故障等でブレーカーを交換する際、
形状や取付寸法が違うと
元の位置に取り付けることが困難になります。

ブレーカーとブレーカーの間の場合、
形状が大きいと、そこに収まりません。

別の場所に取り付けて、
再度、配線をしないといけません。

手間とコストがかかります。

協約形でよく使うものは
安全ブレーカーです。

安全ブレーカー

安全ブレーカー

電灯盤にも、取り付けられています。

(電灯盤については
以下のページを参考ください。
→動力盤と電灯盤とは何か

協約形なので、元々あった位置に
メーカーが違っても交換品が
取り付けられるのです。

実際に修理で交換をするとき、
非常に助かります。

メーカーを気にせずに、同じ位置に
取り付けれますので、、、、

協約形というルールがあって
良かったです。

経済形(経済タイプ)

経済形は、メーカーが独自で製造する
コストを抑える工夫をしたブレーカーです。

メーカー独自で製作するので、
形状や取付寸法も違います。

実際に仕事をしていて、
メーカーが違ってもAFが同じなら
縦横高さは、そこまで変わらないです。

しかし、取付穴は違うことが多いので、
新たにつくる手間がかかります。

接続方式

ブレーカーには、いくつかの接続方式が
あります。

取付場所によって使い分けます。

表面形

表面形ブレーカーの例

表面形ブレーカーの例

最も使わている方式です
写真のように、ブレーカーの表面と
同じ面に端子台があります。

裏面形

裏面形ブレーカーの一例

裏面形ブレーカーの一例

写真のように、
裏面へ電線を接続します。

表面に配線スペースがない時や
配線を表に見せたくない場合などに
使われます。

裏面形ブレーカーの取付について

裏面形ブレーカーの取付について

上の取り付け図のように、
取り付ける盤・板に
絶縁チューブ(端子棒)が通る穴を
開けて裏面に出します。

埋込形

埋込形ブレーカーの一例

埋込形ブレーカーの一例

写真のように、裏面形に
プレート(フラッシプレート)がついています。

そして、そこからレバーだけが
表に露出しています。

埋込形というだけあって
盤・板の表面ではなく、
パネルカットして、裏面側に埋め込みます。
(隠します)

表面の外観はフラッシシートで隠し、
最低限必要なレバーだけを露出させています。
(レバーだけでななく定格電流など
仕様を書いたラベルも露出させることもある)

制御盤の扉に、ブレーカーの
レバーだけが制御盤の中から
出ている(露出)しているものを
見たことがありませんか?

盤の中に、埋め込んであるので
表面はレバーだけで、スペースも取らないし
外見的にもスッキリとしますね。

下図の穴明図のように
プレートの外枠の数mm以外は
パネルカットして裏面へ出します。

埋込形ブレーカーの穴明寸法図の一例

埋込形ブレーカーの穴明寸法図の一例

フラッシシートがあるので
パネルカットした外見は
隠れます。

メーカー

ブレーカーのメーカーは
多くあります。

電気制御機器を扱うメーカーなら
ブレーカーも販売している場合が
ほとんどです。

メーカーによる性能の優劣を
感じたことはないです。

私がよく見るメーカーを
以下に紹介しておきます。

テンパール工業

三菱電機

富士電機

日東工業

最後に

ブレーカーは火災や電気機器の故障など
事故を防ぐために非常に重要な
電気製品です。

電気回路には必ず使われています。

色々なことを書き、初心者の方は
逆に混乱したかもしれませんが

このページを見て
ブレーカーとは何か、そして重要さだけでも
分かっただけでも成果であることは
間違いありません。

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