このページは自動点滅器、EEスイッチについて
解説しています。
色々な型式がありますが
下写真はその一例です。
自動点滅器、EEスイッチは
屋外で使われる便利に省エネを
実現できる電気制御部品です
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.自動点滅器とは、EEスイッチとは
2.仕組み
3.動作方式とJIS規格による分類
4.配線、つなぎ方
5.複数台を制御
6.設置場所と試運転
7.故障
8.最後に
1.自動点滅器とは、EEスイッチとは
自動点滅器、EEスイッチは
本体の周囲の明るさ(照度)によって
内部のスイッチがON/OFFする電気制御部品です。
自動点滅器が正しい名称です。
「EEスイッチ」はメーカーのPanasonicが
販売する自動点滅器が付けた略称です。
(EEはElectric Eyeの略です)
東芝は、自動点滅器にフォトスイッチと
いう呼称を付けて販売しています。
Panasonicの自動点滅器が
よく使われるのでEEスイッチという
名称で書かれ一般的に
なっていることが多いです。
三菱電機がPLCをシーケンサと
いう商品名で販売しているのと
同じイメージで考えればいいです。
(PLC、シーケンサについては
以下のページを参考ください。
⇒PLCとは、シーケンサとは)
用途
自動点滅器の用途は
屋外照明の入切を自動で行うことです。
屋外に設置した照明は、日中は周囲が
明るいので点灯させなくても
いいことが多いです。
自動点滅器を使うことで自動的に
日中の明るいときは消して
暗くなった時だけ点灯させることを
します。
暗くなったら
手動でスイッチを入切することも
できますが
屋外の通路・道路等、
不特定の方が出入する場所は
暗いと危険も伴うので常に周囲を
照らした方がいいです。
電柱に設置された照明、公園の照明など
私たちの身近には暗くなると
誰もスイッチを入れてないのに、
毎日点灯している照明は
多くあります。
自動点滅器を使うと
スイッチの入れ忘れ、切り忘れもなく
暗くなった時だけ照明を点灯させるので
便利で省エネを実現できるわけです。
下写真のように屋外に
設置されています。
2.仕組み
上図の色掛けした部分が
自動点滅器の内部の概略です。
cdsとありますが、自動点滅器内には
cds回路が組み込まれています。
このcds回路が明るさ(照度)を検知し、
照明へのスイッチをON/OFFさせます。
図に電源を書いていますが
cds回路を動作させるために必要です。
用途上、自動点滅器は常に明暗を
検知させるため、通常電源は切れず
常に入れておきます。
3.動作方式とJIS規格による分類
自動点滅器は内部の動作方式により
2種に大別されます。
バイメタルリレー方式
内蔵されたバイメタルリレーで
機械的に接点をON/OFFする方式でし。
明るい(照度が高い)時は
バイメタルを加熱する抵抗(コイル)に
電流を多く流し加熱によりバイメタルを
動作させ接点を開きます。
暗い(照度が低い)時は
逆の動きをし接点を閉じることで
照明へ電気を通じる電路をつくります。
常に加熱すること、
機械的接点であるため
寿命は4~5年とされています。
(使い方/環境にもよると思いますが
実際の経験上、もっと長持ちは
していますね。。。)
熱動継電器形とも呼ばれています。
下写真はバイメタルリレー方式の
中身です。
バイメタルの動作については
同じ原理で作動するサーマルリレーの
ページで説明していますので
興味があればご参考ください。
電子式
半導体にスイッチの役目を
させて開閉させます。
機械ではなく電子でON/OFFするため
接点の摩耗が少なく
8年~10年の寿命とされています。
Panasonicでは、2020年から
バイメタルリレー式を生産中止とし
電子式だけを販売しています。
JIS規格による分類
JIS1P形
①点灯照度:10~80LX
②消灯照度:点灯照度の5倍以下
③寿命:2000回以上
④用途:一般用途(一般形)
⑤方式:バイメタルリレー方式
JIS1L形
①点灯照度:10~80LX
②消灯照度:点灯照度の5倍以下
③寿命:4000回以上
④用途:一般用途(長寿命形)
⑤方式:電子式
JIS2形
①点灯照度:50~100LX
②消灯照度:点灯照度の1倍以下
③寿命:4000回以上
④用途:夕方早めに点灯するため
道路照明などに使われる
⑤方式:電子式
JIS3形
①点灯照度:5~20LX
②消灯照度:点灯照度の2.5倍以下
③寿命:4000回以上
④用途:点灯照度が低いので
日中でも薄暗く意図せず点灯する
場所への設置に使うと良い
⑤方式:電子式
4.配線、つなぎ方
自動点滅器の配線接続について
説明します。
自動点滅器は
3線接続と4線接続があります。
共通することは
安定器やLEDなら電源ユニットの
前に接続すること、
安定器・電源ユニットと
照明・LEDの間ではないです。
そして、cds回路に常に電源を
入れておくことです。
それぞれについて説明します。
3線接続
写真のように黒線・赤線・白線が
本体から出ています。
下図のように配線します。
黒線は非接地の電源線
白線は接地の電源線
赤線は負荷への非接地の電源線
になります。
この配線図から分かるように
cds回路へは常に電源が
投入されています。
そして、接地は常に接地しておくことから
非接地側の電源線を入切します。
4線接続
下図が配線図例です。
上図の受台に端子台がありますので
それに電線を接続します。
自動点滅器には下写真のように
受台と本体を組んで使用する製品も
あります。
3線接続との違いは
製品内部で接地の電源線が
最初から接続されていることです。
接続について
屋外に取り付けられるので
接続箇所が雨ざらしになることも
あるでしょう。
接続箇所はエフコテープ(自己溶着テープ)を
巻いて水対策をしておきます。
5.複数台を制御
1台の自動点滅器で複数の照明を
自動点灯させることもあります。
自動点滅器は内部のスイッチの
定格電流値があります。
例えば、下写真の自動点滅器の
定格電流値は3Aです。
定格電流値を超える電流を流す場合は
電磁接触器を使います。
(電磁接触器については
以下のページを参考ください。
⇒電磁接触器とは、電磁開閉器とは何か)
自動点滅器のスイッチ(接点)は
直接照明をON/OFFせずに
電磁接触器を使って間接的に
制御させるのです。
下図がその配線接続図に
なります。
自動点滅器のスイッチ(接点)は
電磁接触器のコイルのON/OFFに
使い、電磁接触器の主接点で
照明をON/OFFします。
コイルは紫で書いた傍の
A1とA2の端子です。
この端子に自動点滅器からの
赤線が接続されています。
電磁接触器のコイルへの電流は
数百Aなので自動点滅器の
スイッチの定格電流を超えることは
ありません。
また、電磁接触器の主接点の
定格電流は数Aのものもあれば
数百Aのものもありますので
駆動する照明へ流れる電流値に
応じて選定すればいいです。
ここでもう1点注意点は
自動点滅器は電源電圧が
AC100VかAC200V品があります。
上の配線接続図を使う場合は
電磁接触器のコイル使用電圧を
AC100VかAC200Vにあわせる
必要があります。
電磁接触器の配線接続が
よくわからない場合は
以下のページで説明していますので
ご参考ください。
6.設置場所と試運転
周囲が暗くなると
照明が自動的に点灯するため
設置場所が他の照明などで
照らされていない場所を選ぶ必要があります。
配線接続した後は、
試運転したいところですが
周囲が暗くならないと点灯試験できません。
メーカーによっては下写真のような
本体を暗くする道具も同封していますので
それを使って試験します。
私は故障調査で、そういったものがない場合は
帽子などをかぶせてやっています。
7.故障
自動点滅器も故障します。
故障調査法としては、本体の周囲を
暗くした後で、電源電圧が安定器や
電源ユニットへ印可されているか
測定されるかを確認することです。
下写真は寿命ではなく
短絡させたことで故障した
自動点滅器の内部です。
赤〇部分が切れています。
8.最後に
自動点滅器は照度用センサーの
ようなものなので
照明を点灯させる以外でも
応用はできそうですね。
しかし、
色々なセンサーがあるものです。
圧力を検出する圧力センサー、
磁気の変化を検出する近接センサー、
位置を検出するマイクロスイッチ
など まだまだあります。
これだけ多種多少にあると
いうことからも
省エネ・FA化のためには
センサーの重要性が分かります。
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