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漏電ブレーカー、遮断器を7項目で解説(とは何か、使い方、設置場所など)

漏電ブレーカートリップ時のレバー

このページでは漏電ブレーカー、
漏電遮断器とは何か、その役目
使い方などについて解説しています。

漏電ブレーカー、漏電遮断器は
火災などの事故を
防ぐためにも重要な機器です。

稀に漏電ブレーカー、漏電遮断器を
つけてないばかりに
火災が起きたというニュースを
見ることもあります。

このページをみて
漏電ブレーカー、漏電遮断器が何なのか、
そしてその重要性を知ってください。

1.漏電ブレーカーとは、漏電遮断器とは

漏電ブレーカーの一例:富士電機HPより

漏電ブレーカーの一例:富士電機HPより

上写真は
漏電ブレーカーの一例です。

漏電ブレーカーのことを
漏電遮断器と言う人も多くいます。

言葉の定義から
漏電ブレーカーと漏電遮断器は
厳密には違いますが
同じものと考えていいです。

後述しますが、
広く販売されている漏電遮断器は
ほとんどがブレーカーの機能が
備わっているであるからです。

あなたが、電気初心者なら
分からないキーワードがあると
思いますので説明していきますね。

ブレーカーとは

ブレーカーとは電路(電線)に設置して
過電流や短絡から2次側の
電線や機器を保護する機器です。

ブレーカーON時:導通/通電する

ブレーカーON時:導通/通電する

一般家庭にも
ブレーカーは設置されています。

下写真のような分電盤が
家のどこかにあると思います。

分電盤の一例:テンパールHPより

分電盤の一例:テンパールHPより

(分電盤については
以下のページを参考ください。
→分電盤とは)

分電盤内にブレーカーは
設置されています。

家庭には多くの家電製品があり
電気回路(電路、電線)があるため
ブレーカーを設置しています。

漏電ブレーカーを勉強する前に
ブレーカーについて知っておいた方が
理解しやすいです。

ブレーカーについては
以下のページで詳細に説明していますので
ご参考ください。

→ブレーカーとは

漏電とは

漏電ブレーカー、漏電遮断器の
「漏電」とは何かですが
そのままで、電気が漏れることです。

家電製品の電源コードを
例に考えると

コンセントプラグと電線があり
その電線が家電製品に接続され
コンセントから電気を供給しています。

電線の中は銅線で電気を通しますが
外回り(外皮)は電気を通さない絶縁体で
覆われています。

それが摩耗などで、剝けたりして
中の銅線が出てきて、そこに
電気を通す物質が触れると

電線の中以外にも
電気が流れて(漏れて)しまいます。

それを漏電といいます。

漏電とは

漏電とは

例として家電の電源コードで
考えましたが、それ以外でも
絶縁されて本来電気が流れない部分から
電気が流れる(漏れる)こと全般をいいます。

家電製品の外部のカバーも
同じで、本来は電気が流れませんが
摩耗など何かの理由で電気が漏れれば
漏電になります。

漏電した部分を人間が触ると
感電します。

漏れる対象物によっては、
そこで熱が発生し、発火することもあります。

漏電は感電や火災に原因となるので
危険なのです。

漏電遮断器とブレーカーの違い

漏電遮断器は、2次側が漏電すると
電路を遮断して保護します。

ブレーカーOFF時:非導通/通電しない

ブレーカーOFF時:非導通/通電しない

ブレーカーは過電流・短絡から
電路を遮断して2次側を保護しますが
漏電からは保護しません。

漏電ブレーカーは
その2つの機能を合わせ持ち
過電流・短絡・漏電から
保護します。

漏電遮断器は漏電からだけ
保護するのですが、

漏電遮断器という製品名・名称でも
漏電ブレーカーと同じ機能で
過電流・短絡・漏電から保護する製品と
なっていることが実情です。

漏電ブレーカーと遮断器は
注意は必要ですが
同じものと考えていいと思います。

2.漏電ブレーカーの操作方法

漏電ブレーカーの操作方法は
ブレーカーと同じと考えていいです。

手動

写真のレバーを上げると
1次側と2次側が導通し

漏電ブレーカーON時

漏電ブレーカーON時

下げると遮断されます。

漏電ブレーカーOFF時

漏電ブレーカーOFF時

ですので
電源を切りたい時は
ブレーカーのレバーを下げます。

自動

過電流・短絡・漏電すると
自動的にレバーが下がり
電路を遮断します。

漏電ブレーカーによっては
下写真のように、自動ではレバーが
中間の位置で止まるものがあります。

漏電ブレーカートリップ時のレバー

漏電ブレーカートリップ時のレバー

テストボタンと漏電表示

テストボタンと漏電表示

テストボタンと漏電表示

漏電ブレーカーは上写真のように
テストボタンと漏電表示のボタンが
ついています。

テストボタンを押すことで
漏電時に漏電ブレーカーが
作動するかをテストできます。

漏電ブレーカーをいれて(ONして)
テストボタンを押すことで
テストできます。

作動すると、
自動的にレバーが下がり遮断します。

漏電表示のボタンは
普段は引っ込んでいますが
漏電で遮断すると下写真のように
ボタンが出ます。

漏電時の漏電表示ボタン

漏電時の漏電表示ボタン

テストボタンを押しても
この漏電表示のボタンは
飛び出します。

漏電ブレーカーが自動で
おちても(トリップ)
過電流、短絡、漏電、
何が原因か分かりません。

この漏電表示ボタンが飛び出して
いたら、漏電で自動遮断したと
判断できるわけです。

3.使われる場面

漏電ブレーカー(遮断器)の設置する場所に
ついて、電気設備基準の解釈第40条によると
以下のように規定されています。

電気設備基準の解釈

電気設備基準の解釈


金属製外箱を有する使用電圧が60Vを
超える低圧の電気機器で、人が容易に
触れる恐れがある場所に施設するものに
電気を供給する電路。


住宅の屋内電路の対地電圧が150Vを超え
300V以下の低圧電路。


火薬庫内の電気工作物に電気を供給する
電路には、火薬庫以外の場所に設置する。


フロアヒーティングおよび
ロードヒーティングなどの電路。


発熱線を空中およびコンクリート内に
施設するものを除き、
電気温床などに電気を供給する電路。


プール用水中照明灯、その他これに準ずる
照明灯で、変圧器の二次側電路の
使用電圧が30Vをこえる場合。

色々と書かれていますね。

難しいと感じる方も
いるのではないでしょうか。

私は電気工事をすることが
ありますが

ここで書かれている
火薬庫とか、水中とか
特殊な場所で電気工事をすることは
ありません。

特別な工事はしないという前提ですが
私が色々と難しいことを考えず
漏電ブレーカーの設置について
意識していることについて書くと、


電路には必ず漏電ブレーカーを
1台は設置する。

これについては

全ての電気機械に漏電ブレーカーを
個別に設置することはしませんが、
例えば分電盤ならメイン(主幹)ブレーカーを
漏電ブレーカーにすれば

分岐した電路は、全て漏電ブレーカーを
通っていることにはなり
分岐回路で漏電した場合
この漏電ブレーカーがおちてくれます

分電盤内の銅バー

分電盤内の銅バー


屋外や水蒸気など水気がある電路には
設置する。

これについては、

漏電は水気が多い場所で
起こることが多いです。

屋外だと雨も降ります。

雨の日には漏電で故障対応する
ことも結構増えます

メインブレーカーを漏電ブレーカーに
していればよさそうなものですが
メインがおちると分岐した回路も
全て停電してしまいます。

ですので、漏電した電路のみを
遮断するために分岐ブレーカーを
漏電ブレーカーにします。


その他は適時に判断しています

あと、この項の最後に
電気設備基準の解釈では
省略できる条件もありますので
参考までに紹介しておきます。


機械器具を発電所、または変電所、
もしくはこれらに準ずる場所に
施設する場合。


機械器具を乾燥した場所に
施設する場合。


対地電圧が150V以下の機械器具を
水気のない場所で施設する場合。


機械器具に施されたC種接地工事または
D種接地工事の接地抵抗が3Ω以下の場合。


電気用品安全法の適用を受ける
二重絶縁構造の機械器具を
施設する場合。


電路の電源側に絶縁変圧器
(2次電圧が300V以下のものに限る)を
施設し、かつ絶縁変圧器の負荷側の
電路を接地しない場合。


機械器具がゴム、合成樹脂その他の
絶縁物で被覆してある場合。


機械器具が誘導電動機の二次側電路に
接続されている場合。


電気浴器(電気湯沸かし器など)、電気炉、
電気ボイラーなど大地から絶縁することが
技術上困難な場合。


機械器具内に電気用品安全法の
適用を受ける漏電遮断器を取り付け、
かつ電源引出部が損傷を受ける恐れが
ないように施設する場合。

4.定格感度電流と選定

定格感度電流は、漏電ブレーカーが
自動遮断する漏れ電流値のことです。

漏電ブレーカーの定格感度電流

漏電ブレーカーの定格感度電流

上写真の赤枠のように、
漏電ブレーカー本体にも
表示されているのが一般的です。

15mA、30mA、100mA、200mA、
500mA品などがあり
固定品ではなく本体についている
レバーで選択できる品もあります。

漏電ブレーカーの選定時に
検討する項目の一つです。

一般家庭や屋内の通常用途では30mAが使われ
屋外や水回りなどでは15mAが使われます。

100mA以上などは配電盤(キュービクル)
などの使われることが多いです。

配電盤の漏電ブレーカーがおちると
その先の分電盤も停電して
工場・事業所内の仕事に影響します。

定格感度電流を小さくせず
漏電に対する保護もするが
余計な停電もしない塩梅で
選定します。

5.OC付、OCなしについて

漏電ブレーカー(遮断器)のカタログには
OC付とかOCなしと書かれていることが
あります。

OCとはOver Current
オーバーカレントの略で
過電流という意味です。

OC付は漏電保護に加えて
ブレーカーの機能である
過電流、短絡保護する遮断器と
いうことを示します。

OCなしは 
漏電保護の機能しかない
遮断器であることを示します。

ですので、OCなしの遮断器を使うと
過電流や短絡からは保護しないので
注意が必要です。

修理で他社の分電盤や制御盤を
見ることはありますが
OCなしの遮断器は過去に数回しか
見たことがないです。

漏電遮断器といえば
当たり前のようにOC付といった
感じになってはいますが
OCなしもあるので注意は必要ですね。

見分け方としては
3P0Eというように

EはElement-エレメントの意味です。

Eは過電流検出機構であり
素子とも呼ばれます。

その素子がないいうことで
0Eと書かれています。

過電流検出機構があれば
3P3Eのように書かれます。

6.電気図記号とELBブレーカー

漏電ブレーカーとブレーカーのシンボル

漏電ブレーカーとブレーカーのシンボル

上図の左が漏電ブレーカーの
電気図記号になります。

そして右がブレーカーの
電気図記号です。

似ていますが、違いますので
電気回路図内で見分けられるように
なってください。

そして、電気に関わると
ELBブレーカーと名称のブレーカー名を
目にすることもあります。

ELBブレーカーとは
漏電ブレーカーのことです。

ELBはEarth Leakage Breakerの略です。

あと、漏電ブレーカーを
ELCBと書く場合もありますが
これはEarth Leakage Circuit Breakerの略です。

ELBとELCBという名称も
結構使われるので覚えておいてください。

7.メーカー

漏電ブレーカー、漏電遮断器の
メーカーは多くあります。

ブレーカーを販売しているメーカーなら
漏電ブレーカー、遮断器も販売します。

私が使われているのを
よく見るメーカーを紹介しておきます。

富士電機
三菱電機
テンパール工業
日東工業

8.最後に

漏電ブレーカー、漏電遮断器は
電気工事・制御盤
製作など
電気を仕事にすると
必ず使う機器です。

その役目と重要さが
分かってもらえたでしょうか?

その役目として火災を防ぐものが
あります。

以前、消防に設置を指導されていた
ホテルが設置せず放置したために
漏電で火災が発生し死亡事故が
起きたニュースが記憶に残っています。

火災だけではなく感電対策でも
重要です。

作業員で「ビリっと」
感電している方がいました。

現場責任者は放置していたらしいですが
その上司が電気屋に対応を依頼し
漏電ブレーカーをつけたことで
対策できました。

死亡事故にはならなかったようですが
そのまま放置していたら
重大な事故になったかもしれません。

漏電ブレーカー、漏電遮断器は
ブレーカーよりも高価ではありますが
安全第一の精神で
適所に設置するようにしましょう。

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