このページでは
インバータの制御方式の
1つであるVVVFについて
説明します。
インバータについては
以下のページで概要を
説明していますので
ご参考ください。
VVVFとは、V/F制御とは
インバータの制御方式には
VVVF、CVVF、CVCFがあります。
それぞれ用途で使い分けます。
(CVCFについては
以下のサイトを参考ください。
→CVCFとUSPの概要と関係とは)
このページで書くVVVFは
産業用モーターやポンプ、ファンなどを
インバータ制御するときに
使われます。
上写真は産業用モーターである
三相誘導電動機を
インバータ制御する
汎用インバータです。
(三相誘導電動機については
以下のサイトを参考ください。
→三相誘導電動機(三相モーター)とは?)
この汎用インバータに
関わるとV/F制御という
キーワードを聞くことが
多くあります。
後述しますが
VVVFはV/F制御と意味・内容は
同じですが
電車等の制御で使われることが
多いキーワードです。
汎用インバータではVVVFではなく
V/F制御というキーワードが
よく使われます。
このページ、私が普段扱う
産業用モーターを制御する
汎用インバータをイメージして
書いています。
ですので、VVVFは
汎用インバータのV/F制御のことを
書いていると思って
読んでください。
VVVFは
(variable voltage variable frequency)
の略です
可変電圧と可変周波数
という意味です
三相誘導電動機は
周波数を変れることで
回転速度を変えることができます。
そのために、インバータを
使っているわけですが
VVVF(V/F制御)では印可する
電圧も変えています。
なぜでしょうか?
電圧を変える意味
VVVFは出力周波数と
出力電圧を可変しますが、
汎用インバータでは
出力周波数/出力電圧が
一定になるように
可変しています。
理由は
まず簡単にいうと
周波数だけ低くしてしまうと
モーターへ流れる電流が多くなり
効率も悪く、最悪焼損の恐れが
あるからです。
三相誘導電動機に
周波数だけ下げて電圧を
印可すると
励磁電流が増え磁束が増えます。
磁束が増えて磁気飽和を
起こすと過電流が流れ
三相誘導電動機のコイルを
焼損させます。
磁束=K(V/f)
磁束は上記式で算出できます。
kは比例定数ですので一定です。
出力電圧/出力周波数 を
一定にすることで
磁束も一定となり
焼損を防げるというわけです。
出力電圧/出力周波数を
一定にすることから
V/F一定制御ともいわれます。
電気理論・電磁気学が
入ってくるので理解しにくい
部分もあったかと思います。
汎用インバータを
ただ、使うだけの人は
V/F制御は
出力電圧と出力周波数を
同じ割合で変化させる制御
ぐらいで理解しておけば
いいと思います。
励磁電流については
以下をクリックして確認してください。
→励磁電流とは
磁束については
以下をクリックして確認してください。
→磁束とは
磁気飽和については
以下をクリックして確認してください。
→磁気飽和とは
次に、汎用インバータの
VVVF(V/F制御)で
よく聞くトルクブーストに
ついても書いていきます
トルクブーストとは
汎用インバータのVVVF(V/F制御)は
電圧/周波数が一定ということは
モーターを低速運転するために
どこまでも周波数を下げていくと
同じようにどこまでの出力電圧も
下がるということになります。
低電圧になると
電線やモーターのコイルでの
電圧降下が顕著になり
十分なトルクが得られなくなります。
(トルクとは回転する力のことです)
そうですよね?
例えば
出力電圧が100Vで1Vの
電圧降下なら1%ですが
出力電圧が10Vなら
電圧降下は10%にもなります。
無視できなくなりまよね。
そのため下図のように
あらかじめ低周波数での
電圧をあげて補償して
おきます。
電圧降下分を
補償できる
低周波数での電圧をあげておきます。
これを
トルクブースト(トルク補償)と
いいます。
トルクブーストは
パラメーターで設定できます。
トルクブーストという
キーワードもV/F制御同様に
よく出てくるので
覚えておいて損はないです。
まとめ
汎用インバータを
普段使うときに
VVVFやV/F制御、
トルクブーストは
特に意識したことがありません。
しかし、インバータで
何かを調べたい時に
技術資料を見ると、
これらキーワードを
目にすることは多いです。
これらがどういったこと
なのかだけでも事前に
知っていると
今調べたいことを
理解する上でも役立つと
思います。
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