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インバータの制御端子【3つ】機能の使い方を解説

このページでは、汎用インバータの
制御端子の役目・使い方等について
説明します。

インバータについては
以下のページで概要を
説明していますので
ご参考ください。

→インバータとは?概要の79%まで分かるよう15項目で解説

説明に使うインバータは
下写真のような三菱電機製ですが
他にメーカーのインバータでも
ほとんど変わりはありません。

汎用インバータ例

汎用インバータ-三菱電機

多少の操作方法や端子記号が違う
程度ですので参考にはなります。

このページを理解するにあたり
簡単なシーケンス制御の知識は
あった方がいいとは思います。

回路を見る場面もあるからです。

もし、読み進めて外部回路などで
よく分からない場合は
以下のサイトでシーケンス制御の
基本から書いていますのでご参考ください。

→シーケンス制御とは

→シーケンス制御講座

1.インバータの運転モード

インバータの操作ボタン

インバータの操作ボタンとボリューム

インバータの操作は
上写真のようなインバータ本体の
ボタンを押して行う方法と

(三菱電機では
 「PU運転モード」といいます)

外部回路をつくりインバータを
外部から操作する方法と

(三菱電機では
 「外部運転モード」といいます)

あとネットワークから操作する方法

(三菱電機では
 「ネットワーク運転モード」といいます)

があります。

どの運転モードで操作するかは
パラメーターで設定します。

(三菱電機ではPr79になります。)

パラメーターの変更は
操作方法を覚えるだけですので
簡単です。

各モード固定でしか操作できない
わけではなく、固定もできますが
PU運転と外部運転と併用して
操作することも可能です。

このページでは、外部運転モードに
ついて書いています。

2.制御回路端子

制御回路端子例

制御回路端子の一例

上写真が制御回路端子です。

この端子と外部に設計した
回路を接続して
外部からインバータを操作します。

インバータのマニュアルには
下写真のようにインバータと
外部回路の接続図があります。

インバータの端子結線図例

インバータの端子結線図例

それを参考にして
外部回路を設計していきます。

この中で私の会社でよく使う
端子や他社が使っているのを
よく見る端子について
説明していきます

2.外部運転端子(制御入力端子)

マニュアルの接続図で
見るとこの部分になります。

制御入力信号端子部

制御入力信号端子部

端子名でSTF,STR,RH,RM,
RL,MRS,RES,SDになります。

各端子について説明していきます。

SD:接点入力コモン

この端子は名称どおり
コモンで共通端子のことです。

シーケンサにもCOM端子は
あるので、
シーケンサを扱う方なら
分かりやすいでしょうね。

(シーケンサについては
 以下のサイトを参考ください。
→初心者のためのシーケンサ講座)

このSD端子と
その他の端子を短絡(ショート)
させることで、

インバータを
動作させることができます。

その名の通り、
全ての端子で共通なので
一番最初に説明しました。

STF:正転始動、STR:逆転始動

STFとSDを接続することで
三相誘導電動機を正転方向に始動、

(三相誘導電動機については
 以下のサイトを参考ください。
→三相誘導電動機(三相モーター)とは?)

STRとSDを接続することで
逆転方向に始動します。

元に戻すことで周波数は0と
なりモーターは停止します。

この両端子とも短絡しても
停止しまますが
通常、そういった停止方法は
とりません、

RH:高速、RM:中速、RL:低速

この3端子は、SDと短絡することで
予め設定している回転速度に
変更する端子です。

インバータの回転速度の変更は
ボリュームを回しながら
周波数をあわせますが

この端子を使うことで
ボリュームをまわさなくても
設定したい周波数に
あわせるこことができるわけです。

現代の機械は、ほとんどが
自動化されています。

インバータも自動で
制御されることが多いです。

自動化なのに、
インバータの周波数だけ
ボリュームを回すわけには
いきません。

例えば、PLCを使って
これら端子とSD端子を
短絡を自動で行うことで

モーターの回転速度を
自動で3段階変更できるのです。

(PLCについては
 以下のサイトを参考ください。
→PLCとは何かの基礎から11項目で解説)

工場出荷時の初期設定は
RHは60Hz、RMは30Hz、RLは10Hz
になっていますが

後からパラメータで自由に変更
することはできます。

この端子を短絡させて
上のSTFかSTRを短絡させる
ことで動作します

MRS:出力停止

この端子はインバータの
出力を停止する機能です。

例え、正転(STF)や逆転(STR)で
運転中でも
この機能で出力は停止します。

停止後、モーターは
フリーラン停止します。

STF,STRとSD間は
オープン(開路)にしても
最終的には停止しますが

周波数が0になるまでは
インバータがモーターを
制御しています。

このMRSはフリーラン
ですので、惰力がおさまるまで
回転して止まります。

RES:リセット

インバータは内部にいくつかの
保護機能があります。

それが作動すると
インバータはトリップして
停止します。

例え、保護機能が作動した
原因を取り除いたとしても
再び始動するには
一旦リセットしなければいけません。

このRESとSDを短絡させることで
リセットさせることができます。

インバータ本体にも
リセットボタンはありますが

インバータ本体が
簡単に操作できない場所に
設置されている時などは
外部でリセットできれば便利です。

経験上、インバータの
トリップに再現性がなく
リセットすれば、そのまま
使えることはあります。

そのようなパターンの時は、
オペレータでも操作できれば
仕事を止めないですみますね。

変更機能

ここまで各端子の機能を
説明しましたが
パラメーターを変更することで
機能を変えることができます。

あくまで工場出荷時の
初期設定がそうだということです。

どういった機能に変更できるかは
マニュアルで確認できます。

(三菱電機の場合はPr178~pr184です)

3.周波数設定端子

マニュアルの接続図で
見るとこの部分になります。

周波数設定端子

周波数設定端子

本体での操作だと
インバータの周波数設定は
本体前面のボリュームを
回転させて行います。

外部操作では、下写真の
ようなボリューム可変抵抗器を
回転させて行います。

ボリューム抵抗

ボリューム抵抗の例

ボリューム可変抵抗器については
以下のページを参考ください。

⇒ボリューム可変抵抗器とは
 (*準備中です)

この接続をすることで
何をしているかの
イメージが以下の図です。

インバータ周波数設定結線イメージ図

インバータ周波数設定結線イメージ図

ボリューム可変抵抗器側に
青字で3,2,1とあります。

それはボリューム可変抵抗器の
下写真の番号を示しています。
その端子に半田付けで電線を
接続します。

ボリューム可変抵抗器裏面

ボリューム可変抵抗器裏面

インバータ側の番号は
先に載せた接続図で
インバータに書かれた
番号です。

ここで
何をしているかというと

5V,0Vと書かれていますが
インバータから
ボリューム可変抵抗器の
3と1間に5V印可しています。

そして、
ボリューム可変抵抗器の
2,1間の電圧をインバータの
2に入力しています。

ボリューム可変抵抗器は
ボリュームを回転することで
3-2間、2-1間の抵抗値を
可変できます。
(3-1間の抵抗値は変わりません)

ボリュームを回転させ
抵抗値を変え、5Vの分圧も
変えて入力しているのです。

その電圧値を入力値として
周波数を可変しているのです。

下写真の赤枠が操作盤に
ボリューム可変抵抗器を
取付けたものです。

周波数変更のボリューム

周波数変更のボリューム

このような感じで
盤につきます。

4.リレー出力端子

マニュアルの接続図で
見るとこの部分になります。

リレー出力端子

リレー出力端子

ここまで説明した端子は
インバータへの入力信号を
入力する端子でした。

この端子はインバータからの
出力信号を出力する端子です。

上図のように
A,B,Cの端子で
c接点を構成しています。

(c接点については
 以下をクリックして参考ください。
→シーケンス回路設計の基本とは)

インバータに異常が
発生した時に
このインバータ内部の接点は
動作します。

このc接点を使うことで
インバータの異常を
外部に知らせることができます。

簡易化して説明します。

下の図を見てください。

通常状態

リレー出力-通常時

この図のA,B,Cをインバータの
リレー出力のc接点だと
考えてください。

通常時ですのでaとcの接点、
つまりa接点は開いており
電池の回路は開いているので
ランプは点灯しません。

異常状態

リレー出力-異常発生時

上図はインバータの
異常発生時です。

異常が発生すると接点が
動作するので、a接点は閉じ
電池の回路ができ
ランプが点灯します。

この異常発生を知らせる
ランプは制御盤、操作盤の
扉につけことで

インバータ本体を
見なくても異常発生を
知ることができます。

(制御盤については
 以下をクリックして参考ください。
→制御盤とは何か)

他にもアイデア次第で
色々と役立つことが
できますね。

このリレー出力ですが
異常発生時の動作は
初期設定でパラメータ変更で
他の機能に変更できます。

機能を変更しても、しなくても
注意することは
この接点の定格です。

接点には
定格電圧や定格電流が
あります。

それを超えると接点は
故障します。

マニュアルに書いてあるので
確認しご使用ください。

(ちなみに、私は過去
定格確認せず故障させたことが
あります。)

5.PLCによる自動化

インバータを外部で操作できる
制御端子を使うメリットの1つは
自動でインバータを操作できる
ことです。

PLCは機械を自動制御するための
機器ですが、インバータも
自動制御することで

機械の自動制御に幅を
持たせることができます。

制御盤内にPLCとインバータが
あり、PLCでインバータを
自動制御することは
よくあります。

(PLCとシーケンサについては
 以下をクリックして参考ください。
→PLC,シーケンサとは)

6.まとめ

インバータを外部で操作する
制御端子の理解は
インバータを使いこなす上で
必須です。

使うことで、下写真のような
操作盤でインバータを操作できます。

インバータの操作盤

インバータの操作盤

この操作盤は、インバータの始動/停止
周波数変更、周波数を計器で
確認することができます。

ここで説明した機能は
工場出荷時の初期設定です。

パラメーターを変更することで
他の機能も使えます。

マニュアルを見て、自分の
したいことがあるか、
何ができるのかを調べます。

シーケンサの応用命令を
調べるのと何か似てますね。

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