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高調波:【6項目】に分けて概要を解説

電気分野に関わっていると
高調波というキーワードを
見聞きすることがよくあります。

このページでは、高調波が
何なのか、問題や原因などを
説明しています。

1.高調波の問題

高調波が何かを説明する前に
高調波の問題を簡単にあげておきます。

問題意が分かった方が
この先を興味深く読めるかと
考えてのことです。

高調波は以下のトラブルの発生原因に
なります。

・(力率改善)進相コンデンサの焼損
・トランスの焼損
・漏電遮断器の誤動作
・ヒューズの溶断
・通信機器の雑音や乱れ
・電気機器の誤動作

まだありますが
ここで挙げただけでも
問題が多いことがわかります。

(漏電遮断器については
以下のページを参考ください。
→漏電遮断器とは)

2.高調波とは

電力会社から一般家庭や産業現場などに
送電されている商用電源は

波形は下絵のような正弦波(サインカーブ)で
周波数は東日本で50Hz,西日本で60Hz
だということは電気の基礎で
学習することですね。

正弦波

正弦波

この商用電源の正弦波ですが、
ある原因で下絵のように 
ひずんだ感じのひずみ波に
なることがあります。

ひずみ波の例

ひずみ波の例

その原因が高調波です。

高調波は電源周波数の整数倍の
正弦波です。

60Hzの周波数なら、2倍の120Hz,
3倍の180Hz・・・・ 
といったような波です。

同じ場所に複数の
波があるとどうなりますか?

電気の波も水の波と同じで
打ち消しあったり、大きくなったり
します。

それで下絵のようにあわさって
ひずみ波となるのです。

基本波と高調波の合成

高周波やノイズとの違い

電気に関わると、高調波同様に
高周波やノイズといった
キーワードもよく聞きます

うっかりと同じ意味ではないかと
考えてしまいそうですので
定義は違いを説明しておきます。

高調波と高周波の違い

高調波は電源周波数の整数倍の
周波数で通常40倍(40次)ぐらい
までを高調波といっています。

50Hzなら2kHzになりますね。

高周波はそれ以上の周波数を
いいます。

高調波とノイズの違い

高調波は電源周波数の整数倍であり
電源周波数と同期しますが
ノイズは単発的に発生し
周波数も数百kHzと高いです。

3.高調波の発生原因

電気製品は交流の商用電源で
動作していると思われがちですが
その内部で直流電源に変換されて
使われることが多いです。

以下のような回路で
交流を直流に変換しています。

整流回路と高調波電流

整流回路と高調波電流

上の回路の下に出力電圧と
入力電流の波形をつけています。

コンデンサがない場合は
青点線の出力電圧となり、A地点の
波形となります。

このような波形では直流電源として
使えないので、平滑用のコンデンサを
いれて緑の波形のようにします。

コンデンサは、電荷を貯めますので
コンデンサに電荷を貯めるときだけ
入力電流は流れることになり
紫の波形のような電流が流れます。

このような電源周波数に同期した
パルス状の電流が流れます。

これは高調波電流で
整数倍の正弦波の合成で構成されます。

この高調波電流がインピーダンス(抵抗)に
流れ歪んだ電圧を発生させます。

(インピーダンスについては
以下のページを参考ください。
インピーダンスとは)

ダイオードを使った整流回路を
紹介しましたが、その他にも

サイリスタやトライアックなどの
半導体を使った位相制御で
交流を直流への変換でも
高調波は発生します。

その他の発生源としては
変圧器(トランス)があります。

磁気飽和した際に電流波形が
正弦波とならず
歪んでしまうことが原因です。

磁気飽和については
以下のページを参考ください。

磁気飽和とは

4.高調波とインバータ

高調波の代表的な発生機器として
インバータがあります。

インバータについては
以下のページを参考ください。

インバータとは

インバータの内部は以下のように
なっています。

インバータの内部:日本電機工業会の資料より抜粋

インバータの内部:日本電機工業会の資料より抜粋

三相交流をコンバータ部の
ブリッジ整流器と平滑コンデンサで
一旦直流に変換します。

その過程で発生した高調波電流と抵抗に
よりひずみ波形となってしまいます。

インバータは様々な機器で
使われています。

エアコン、照明、
産業現場では三相誘導電動機など
モーターの速度変更に
使われます。

省エネもでき便利で現代社会に
必須の機器ですが
高調波の問題もあるということです。

5.進相コンデンサへの影響

1項であげていますが
高調波の発生は様々な問題がおこります。

高調波は発生源の構内に限らず
当該電力系統に接続されている機器にも
障害を及ぼすことがあるので

経産省の高調波抑制対策のガイドラインがあり
あてはまる場合は対策が
求めらるぐらいです。

(このガイドラインは現在は廃止され
JIS C 61000-3-2「高調波電流発生限度値(
1相当たりの入力電流が20A以下の機器)」
に移行されています)

挙げた問題の中で
力率改善の進相コンデンサへの
問題について説明します。

なぜ焼損などの問題が起こるかと
いうと、高調波電流を流しやすい
からです。

コンデンサの交流に対する抵抗である
リアクタンス

X=1/(2πfc) (Ω) f:周波数(Hz)、
c:静電容量(C)

上の式であらわせます。

コンデンサに流れる電流は

I=E/X=E/(1/(2πfc))
=2πfcE (A)

となります。

ここまでの説明で高調波は
周波数が高い成分を含むことは
分かると思います。

周波数が高い分、大電流が流れ
焼損など劣化の原因となるわけです。

6.対策

高調波の対策として
進相コンデンサは直列リアクトルを
つけます。

これについては以下のサイトで
説明されているので参考ください。

知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い

高調波を発生する代表的な機器である
インバータについては
交流リアクトル、直流リアクトルを
使って対策します。

インバータのメーカーでは
専用のリアクトルをオプションとして
販売されています。

以下にその画像を載せておきます。

インバータの高調波対策リアクトル:三菱電機カタログより

インバータの高調波対策リアクトル:三菱電機カタログより

7.まとめ

交流を直流に変換する過程で
高調波が発生する、

インバータをはじめ
交流を直流に変換して使う
製品は多い

このことから、高調波とは
無縁ではなく今後も付き合い続ける
ことになるでしょう。

高調波は目に見えないので
普段知ることはないですが

このページが、電気トラブルに
高調波が絡むことを意識する
きっかけになればうれしく思います。

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