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日本ホイスト10tホイストのブレーキ起因 巻上下故障修理

日本ホイスト10tホイストの
故障修理をしました。

ブレーキ起因 巻上下故障を
修理しました。

1.故障内容

故障症状は巻上・巻下をすると
唸るような音が鳴るだけで
動かないという内容です。

巻上・巻下の両方は動作不良ということは
機械的な動作異常で、異音が鳴って
動かないということから
ブレーキ異常の可能性が考えれます。

2.やったこと

ダブルレールのホイストです。
ガーダには歩道があります。

ホイストの側まで行くと、
巻上のブレーキ部が熱くなり
煙らしきものがでました。

電磁ブレーキなのですが
そのコイルが焼損している
可能性があります。

ただ、それだけで焼損と判断して
分解するわけにはいきません。
(間違った場合、かなりの時間ロスになります)

このブレーキコイルは
3相交流のブレーキコイルです。

電気回路図から
ブレーキコイルに接続された電線は制御盤内の
端子台に接続されています。

(制御盤については以下を参考ください。
 ⇒制御盤とは)

(端子台については以下を参考ください。
 ⇒端子台とは)

接点の故障

その端子台の電圧をテスターで確認すると
1相欠相していて単相になっています。

この欠相さえ直せば
正常動作するかもしれません。

このホイストは元々は1速運転のホイストですが、
後から私の会社でインバータを取り付けて
微速の下だけ動くように電気改造しています。

(インバータについては以下を参考ください。
 ⇒インバータとは)

インバータを取り付けたした制御盤内に
取り付けてある電磁ブレーキ入切用の
電磁接触器を調べると主接点が故障しています。

(電磁接触器については以下を参考ください。
 ⇒電磁接触器とは、電磁開閉器とは)

この接点故障が原因の一つでした。

電磁ブレーキも故障

この電磁接触器を交換しましたが
巻上・巻下ができません。

やはり電磁ブレーキも故障原因の可能性は
高く、テスターで確認すると明らかな
故障判定ができます。

日本ホイスト本社は近いので 
取りに走れば補修部品がその日のうちに
手に入る利点があります。

経験上、劣化・摩耗している可能性が高いので
ブレーキコイルだけではなくブレーキ板等の
部品も交換することにしました。

おそらく一回も
交換したことがないと思います。

分解・交換

分解すると見事に
ブレーキコイルは焼損しています。

ニスがわいて他の歯車とかにも付き 
ネチネチとくっつきます。

シンナーできれいにふきとりました。

ブレーキ板は、摩擦する樹脂部が
ほとんど摩耗してちびきっています。

そして、その周囲もぼろぼろで
こんなに摩耗したブレーキ板を
見ることも珍しいです。

ブレーキ板とブレーキ歯車が楽に嵌らないので
少し加工して動きやすくしました。

手で動かすと普通にブレーキ板の
嵌め・外しができるレベルになったので
そのまま組みました。

最後まで組み、ブレーキコイルの電源線を
しっかりと接続しブレーキ調整もしました。

だいたいブレーキギャップが
0.8mmになるように調整しました。

これで巻上・巻下は
正常に動作するようになりました。

あとインバータで動かす
別回路の微速下げのブレーキ用電磁接触器も
同じように接点がとんでいました。

それも交換して修理終了です。

写真は焼けたブレーキコイル、ちびたブレーキ板、
ブレーキ板の厚みは5.5mmでした

3.所感

本当に、巻上のブレーキ板が
異常に摩耗していました。

10tですので、2年に1回の性能検査で
10tを吊って荷重検査をしています。

驚くべきは、その性能検査を
このブレーキ板で合格していることです。
(それほど、検査から経過していないと思います)

あのブレーキ板で10tの制動力はあるとは 
すごいブレーキだと思いました。

性能検査後に
ブレーキコイルが焼けてブレーキを開放せずに
使い続けブレーキ板を摩耗させた可能性も
ありますが

巻上モーターは焼損していないので
その可能性は低いかと。。。

今回は、故障部品が多くありました。

おそらく、ここまでなる前に
異常があったのではないかと思います

異常を感じたら、使うのをやめて
専門に見てもらうことが理想ですが
とりあえず使えるなら、そのまま
使ってしまいますよね。。。

気持ちはわかります。

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