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天井クレーンの走行 動作不良の修理

天井クレーンの走行動作の
故障修理を行いました。

1.故障内容

故障内容は
天井クレーンを走行させると
異常な音が出るというもので
調査を依頼されました。

2.やったこと

まずは、
走行動作をさせてみました。

確かに動き始めに
カタカタという音がしますが
問題視するほどの音ではありません。

運転士に確認すると
この音ではないとのことで
異常な音はしたりしなかったり
するということです。

重い荷を吊ってしばらく動作させていくと
大きな異常音がやっと発生しました。

(モーターの異常音については
以下のページを参考ください。
モーターから異常音、まず疑うポイント)

運転士もこの音だといっています。

異常音がした方のサドル部へ行き
走行車輪まわり、走行車輪の歯車と
走行の減速電動機(ギヤードモーター)の
歯車を見ましたが問題ありません。

以前、天井クレーンの走行の
減速電動機(ギヤードモーター)の軸が
折れていたという故障を経験したことが
あったので

今回もそれかもしれないので
そこを調査することにしました。

いきなり天井クレーンのサドルから、
電動機(モーター)を外し分解して
確認したのでは間違っていた場合
大変な時間ロスを発生させることになります。

ですので、問題がない方の
減速電動機(ギヤードモーター)のモーター線を
外し動作できなくさせ、疑いがある方だけで
走行動作をさせることにします。

さすがに軸が折れていると
天井クレーンの走行動作は
しないはずですから。

実際やってみると機械音はしますが
クレーンは走行動作はしません。

電流値を測定すると、だいたい無負荷時に流れる
電流は流れているが、クレーンは動作していません。

やはり電気ではなく軸が折れるなどの機械故障で
減速電動機(ギヤードモーター)の中で
空回りしていると考えられます。

持ち帰って分解すると、
下写真のように軸は折れていませんでした。

下写真が減速部分ですが、歯車を手で回すと空回りします。
減速部分が故障原因です。

減速部分を分解すると
歯車の歯が摩耗しています。

歯同士ががっちりとかみ合わず、
ここで空回りしていたのです。

新品の歯車に交換することで修理しました。

その際、メンテナンスとして
ベアリングも交換しました。

(ベアリングについては
以下のページを参考ください。
ベアリングの故障について)

下写真が摩耗した歯車と新品歯車のです。
明らかに歯が違いますね。(右写真が摩耗した方です)
(上写真は内輪の歯です)

簡易的な説明になりますが、この2つが
下の写真のように組まれます。

そして、外輪の歯車は電動機(モーター)の
歯車とかみ合い回転させられます。

現地で修理した減速電動機(ギヤードモーター)を
サドルに組んで運転すると、
今度はカタカタという音はせず
力強い音をたてて動作しました。

3.最後に

天井クレーンの異常は
今回のように
重い荷を吊って動作させないと
再現しないことはあります。

吊り上げ荷重が3.0t以上のクレーンを
対象に2年に1回行われる性能検査では
吊り上げ荷重を吊って動作させる
荷重検査があります。

その検査で異常が発生(発見)
できたことも過去あります。

今回のような故障は
リレーシーケンス三相モーターとは
知見があれば対処はできます。

そしてそれは、
それほど難しいものでもありません。

当方では、故障現場で役立つ
リレーシーケンスと三相モーターの教材を
扱っていますので興味があれば
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1 個のコメント

  • こういった修理過程の段階的思考考察は大切ですよね。
    きっとお客様への説明も丁寧で解りやすいのでしょうね。

    同僚にも後輩にもしっかり伝えてください。
    同僚にも後輩にもお客様にも優しい確実な修理技師が居るから
    世の中は回っているんですね。
    本当にありがとうございます。

    日本がもっともっと技術者を大切にする国であります様に。

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