~天井クレーンの走行方向の動きがおかしい(異音・違和感)という相談で現場へ~
天井クレーンの走行方向の動きが変で、異常な音もするという連絡があり現場へ向かいました。
動き自体はするものの、走らせると「いつもと違う音」が出たり、走行がスムーズではなかったりと、明らかに違和感がある状態でした。
症状:走行はできるが、異音と動きの違和感
今回は「完全に動かない」ではなく、動くけれどおかしいパターンです。
この時点で、走行モーターや減速機、電気だけでなく、車輪・レール・サドル側の異常も疑います。
点検:おかしい側の車輪にひび割れ
違和感が出ている方向の車輪を確認すると、以下の写真のように車輪にひび割れが入っていました。


クレーンの車輪は、長期使用で摩耗してすり減っていきます。
摩耗が進んで薄くなると、最終的に今回のようにひび割れが入って使用できなくなることがあります。
※この状態まで進むと、早めの交換が安全です。
対応方針:基本は新品交換
この状態では基本的に新品の車輪に交換して修理します。
ただし、車輪は「何でも合う」わけではありません。
メーカーや型式によって寸法・構造が違い、同じメーカーの同等品でないと嵌らないことが多いです。
部品特定:メーカーが分かれば話が早い
今回はサドル(または走行部)まわりの情報が取れ、使っている走行モーター等から見ても、日本ホイスト系の車輪である可能性が高いと判断できました。
(三相モーターについては
以下のページを参考ください。
→三相モーターとは?)
実物の歯数など仕様を確認し、カタログと照合すると仕様が合うものが見つかります。
現行でも部品として販売されている可能性が高いので、あとは新品手配→交換です。
交換作業:軸を抜く(今回は固着で難航)
交換には、車輪の軸を抜く必要があります。

一般的に軸のはめ合いは「抜ける程度」にしてあることが多いのですが、現場条件や経年で段差ができたり、固着して想像以上に固いことがあります。
今回はまさにそのケースで、軸が抜けませんでした。
最終的に写真のようにガスで溶断して対応しました。



稀に、ここまでやらないと進まないこともあります。
新品取付→試運転:走行は良好に復旧
新品交換は同一製品なので、取付自体は問題なく完了。
試運転でも走行はスムーズになり、異音・違和感も解消しました。
今回よかった点:まだ動かせたこと
今回いちばん助かったのは、クレーンをまだ動かせたことです。
多少おかしくても、脱線するほどではなかったため、作業しやすい位置へ移動できました。
クレーン修理は「動かせる/動かせない」で、段取りも手間も大きく変わります。

予防:車輪の摩耗は“点検で見る項目”
当方はクレーン点検も行いますが、車輪の摩耗・損傷は確認項目のひとつです。
今回の状態まで放置されていたことを考えると、定期点検が十分に実施されていなかった可能性があります。
今回は 脱線するとか なかったので 良かったし
クレーンが何基もある工場で 端のクレーンだったので
使えなくても 仕事に 大きな影響はなかったのも良かったですが
特に 古いクレーンの場合は 最悪を避けるため 法令どおり
点検した方が無難ではあります
(というか 点検しなければいないことにはなっています)
クレーン等安全規則では、事業者に対して「1年以内ごとに1回」および「1月以内ごとに1回」の定期自主検査が規定されています
(補足)設備の一次診断(切り分け)を体系的に学びたい方へ
機械・設備の故障原因は
今回のような機械側ではなく
電気関係であることは よくあることです。
電気異常の初期症状から、
見る順番→原因の切り分け→復旧判断までを
体系的に身につけたい方は、以下の画像をクリックして
参考にしてください。



















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