天井クレーンの故障修理をしました。
1.故障内容
天井クレーンの走行方向が
動作しないという故障です。
現地へいくと、運転士の人が
「多分、あれが原因」
と指さしました。
見ると、横行用の移動ケーブルの
一部が断線しています。
天井クレーンで下写真のような
ケーブルを見たことがないですか?
2.やったこと
確かにあのケーブルが断線すると
走行方向は動作しなくなります。
ホイスト式天井クレーンは
巻上・横行用のモーターを
操作する制御盤はホイスト本体に
つけられています。
(制御盤については以下を参考ください。
⇒制御盤とは)
走行用のモーターを操作する制御盤は
サドルやガーダの端に設置します。
操作はホイストの制御盤から
運転士の手が届く位置まで
ケーブルをおろして押ボタンで
行います。
押ボタンから走行用の制御盤までは
ホイストの制御盤をとおして
横行に移動ケーブルでつけて
電気信号を送ります。
信号を送る電線が断線すれば
当然動作しなくなるわけです。
断線なので単に接続すれば
修理できるのですが止まった場所が悪く
そのケーブルは手が届く位置にありません。
走行方向に動作させることができれば
点検台なりケーブルに手が届く位置に
移動させることができます。
しかし、その走行が動作しないのです。。。。
手動で移動させる
高所作業者を持ってくれば
作業は問題なくできます。
しかし、それだと
コストも時間もかかります。
走行モーターを動作(ON/OFF)させる
電磁接触器は、手動で動作させることはできます。
(電磁接触器については以下を参考ください。
⇒電磁接触器とは、電磁開閉器とは何か)
走行用の制御盤を開けて
中の電磁接触器を手で押して走行させ
移動させて手が届く位置まで持っていきました。
そこでケーブルの断線修理をしました。
ケーブルを近くで見ると
断線部付近の摩耗がかなりひどいです。
ケーブル全てを交換しようかと
思いましたが断線部付近だけが
特にひどい、
そして天井クレーンをすぐに
使いたいとのことですので、
全交換していると時間もなく
その部分だけを交換することにしました。
太い電源用のケーブルと
細い操作回路用のケーブルの
2つのケーブルをはわしています。
この場合、細いケーブルを少し長くして
太いケーブルに方にストレスが
かかるようにします。
細いケーブルの方が断線しやすいので
引っ張った時のストレスが
かからないようにするわけです。
そして、修理した接続部にも
ストレスがかからないような工夫も
しておきました。
写真は その摩耗したケーブルです
3.最後に注意
今回、手動で電磁接触器を動作させて
走行移動させました。
この方法は、動く天井クレーンに
自分も乗って一緒に移動します。
危険ではありますので
安全に厳しい大手企業だと
出入り禁止にされるかもしれないです。。。
私は慣れているので結構しますが
積極的に真似はしない方がいいですね。
天井クレーンの修理では
修理内容自体は簡単でも、
故障で止まった位置が悪いために
時間・コストがかかることはあります。
法令では毎月点検をすることに
なっています。
定期点検をして故障が起こる前に
メンテナンスすることも大事ですね。
点検・メンテナンスのおかげで
大掛かりになったであろう故障を
事前に防いだこともあります。
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