PLC,シーケンサを使ったシーケンス制御は
リレーシーケンスとは違い、プログラミングで
回路設計をします。
ラダー図とは、そのプログラムを記述する
一つの方式であり、PLC設計をする
プログラマーから最も使用されている方式です。
ですので、ラダー図の見方、書き方が
分かっていないとPLCの電気設計の世界で
生きていくのは 苦しいといえます。
シーケンサ講座のこの回では
そのラダー図とは何かについて
主に説明していきます。
また、この回で使うラダー図内の
デバイス記号等は三菱電機のラダー図の
書き方で書いています。
他社のPLCを使う方には直接的には
使えませんが、考え方等は同じです。
三菱電機の仕様で説明しますので
ここからはPLCではなくシーケンサと
呼ぶことにします。
ここまでの説明ででてきた
シーケンサ,PLC、シーケンス制御
リレーシーケンスについては、以下の
サイトでを説明しています。
分からない場合は確認してください。
●シーケンサ、PLC ⇒PLCとは、シーケンサとは何?が83%解消する初心者サイト
●シーケンス制御⇒シーケンス制御とは
●リレーシーケンス⇒リレーシーケンスとは何かを速習したい初心者のためのサイト
ラダー図とは
シーケンサのプログラミングには
以下に示すようにいくつか方式があります。
・ラダー方式
・SFC方式
・フローチャート方式
・ステップラダー方式
この中でも圧倒的に多く使われている方式が
ラダー方式です。
(ちなみに、私もラダー方式で書いています)
一般的にラダー方式とはいわず
「ラダー図を書く」 とか
「ラダー図を見る」 といったように
ラダー図をいう言い方をしています。
シーケンサのプログラミングにおいて
ラダー図が最も使われる理由は
ある人達にとって、見方、書き方を新たに
勉強しなくてもいいからです。
この図の左はリレーシーケンスの回路図
であるシーケンス図で右はラダー図です。
もし、シーケンス図について分からない場合は
このブログの別講座で解説していますので
以下をクリックして 読んでください。
この2つは非常に図の形が似ていますよね。
図が似ているだけではなく
見方(読み方)・書き方も似ています。
このことがシーケンサのプログラミングで
ラダー図が多く使われる理由です。
似ていることで
リレーシーケンス(有接点シーケンス)で
シーケンス回路設計をしていた技術者達は
抵抗なく、特別新たな勉強をすることもなく
ラダー図を見たり、書いたりすることができます。
シーケンサが開発される前は電磁リレーを
使うリレーシーケンスでシーケンス設計が
されていました。
(電磁リレーについては⇒電磁リレーとは何かを3項目で学習する)
シーケンサはリレーシーケンスの欠点を
改善する目的で開発されました。
その際、今までリレーシーケンスで回路図を
書いていた人がすんなり使用できるように
ラダー図が使われました。
ラダー図ならシーケンス図を書く、見る感覚で
仕事ができます。
私もシーケンス図を書く、見ることに慣れて
いましたのでラダー図は特別に勉強しなくても
何となく見ることができました。
ラダー図とはシーケンス図を見る・書く感覚で
習得でき、最も使われる方式ですので
シーケンサを扱うならば ぜひ、覚えてください。
ラダー図の見方、書き方
ラダー図の見方、書き方について
説明しますが、ある程度リレーシーケンス
について理解できていることが
前提での説明になっています。
まだリレーシーケンスについて
まったく分かっていないという方は
このブログではリレーシーケンス
について解説した講座があります。
以下をクリックして、まずは
その講座を学習することをお奨めします。
ラダー図を見るとXとYの英数字が
書かれています。
あれは、このシーケンサ入門の
で説明したシーケンサの入力端子と
出力端子の番号を示します。
このラダー図では記号が
4種類書かれています。
a接点は動作していない時は開いている接点、
b接点は動作していない時は閉じている接点
です。
出力リレーのコイルとありますが、
これはリレーシーケンスの
電磁リレーのコイルと同じと考えてください。
電磁リレーはコイルに電気が通じると
電磁石が励磁・動作し接点が動いていました。
それと同じです。
見方はシーケンス図と同じで出力リレーの
コイルと同じ電路にある接点が全て閉じると
出力リレーのコイルに電気が通じて
出力リレーが動作する、という見方をします。
END命令は
ここがプログラムの最後であることを示すために
プログラムの最後に入れる命令です。
ラダー図はプログラムですので
このあたりはシーケンス図とは違いますね。
このラダー図の見方は、シーケンス図の
見方と同じです。
例えば、X003のa接点が閉じれば
Y001の出力リレーのコイルに電気が通じて
Y001の出力リレーが動作します。
もし、X007のb接点が開いている場合は
X003のa接点が閉じてもY001の出力リレーの
コイルに電気は通じませんので
Y001の出力リレーは動作しません。
この場合、X009のa接点が閉じれば
Y001の出力リレーは動作します。
このあたりはシーケンス図の見方と同じです。
そして書き方も同じです。
両端の線は母線になります。
そして、コイルは電路の最後に書くあたりも
シーケンス図と同じです。
リレーシーケンスでは
自分で押ボタンや電子タイマーなどに
BS1,BS2・・・、TLR1,TLR2といったように
自由に番号をつけます。
(制御盤内の電気制御機器を見ると
CR1とかPB1とか記号番号が書かれているのを
見ませんか?)
(制御盤については⇒
制御盤とは何かが分かる-速習したい初心者のための制御盤入門)
シーケンス図には、どの機器の接点、コイルか
分別できるように、その記号番号を
書いていきます。
ラダー図内ではシーケンサに接続する
外部機器に勝手に番号をつけて
いいわけではありません。
ラダー図上の番号はシーケンサに接続した
端子番号と関係つけられています。
例えばシーケンサのX3の端子に
押ボタンを接続すると、その押ボタンが
ラダー図上ではX003の接点となります。
押ボタンが動作すると、ラダー図上の
接点が開いたり・閉じたりするのです。
X7の端子にリミットスイッチを接続した
とすると、そのリミットスイッチがいくら
動作してもX003の接点は反応しません。
出力リレーも同様です。
Y1の端子に電磁弁を接続したとすると
ラダー図上のY001の出力リレーのコイルに
電気が通じY001の出力リレーが動作することで
外部に接続した電磁弁が動作するのです。
(電磁弁については⇒
電磁弁とは)
シーケンス図と見方や書き方は似ていますが
ラダー図の場合は、シーケンサを通すので
ちょっと勝手が違いますね。
X001、X007とかのデバイス番号だけでは
何の機器を接続しているのか、ラダー図を
見ただけでわからないので
この図のように、コメントを書いて
ラダー図を見ただけで分かるようにします。
このコメントがあるだけで、ラダー図が
非常に見やすくなりラダー図を見ただけで
何をしているか推測できることもあるので
非常に大事ですね。
勉強が必要な部分もあります
シーケンサでは、外部に接続した機器だけ
ではなく、内蔵したリレーやタイマーも
制御に使えます。
ですので外部接続していない
接点やコイルもラダー図上ではでてきます。
(内部リレーやタイマーについては
次回の講座で説明しています。)
その他に
シーケンサはコンピューターですので
数値データーを扱えたりと便利な
応用命令が使えます。
このラダー図は、数値を扱っており
加算と乗算をしています。
(加算と乗算については⇒
シーケンサの四則演算、増減について)
このラダー図はマスターコントロールと
マスターコントロールリセットいう
応用命令を使っています。
このように、リレーシーケンスの
シーケンス図が分かっても新たに学習しないと
読むことができないものも多くあります。
どういった応用命令があるかは
各メーカーのマニュアル等を見れば
書いてあります。
ですので、その点は新たに勉強や調査を
していく必要はあります。
ただ、使い方を覚えれば便利ですので
その価値はあると思います。
このページで解説しているラダー図は
基本的なものなので
まだ、単純で簡易です。
複雑な機械では、ラダー図も
複雑になります。
初心者の方にとっては
後々の話になると思いますが
それら複雑なラダー図を
確認・テストをしないといけません。
以下のサイトで
ラダー言語の自動テストについて
書かれていました。
ご参考ください
⇒エレベーターや自動ドアの制御も可能な「ラダー言語」のテストを解説
あと、
当方では、実習キット付の
シーケンサ入門教材も扱っております。
39題の実習課題があり、
ここで解説したラダー図を
パソコンのソフト上で作成して
実際に動作させて学習していきます。
初心者でも自宅で独学できるよう
(学習サポートもあります)
つくっています。
このブログサイトでも紹介していますが
(⇒初心者のためのPLC入門)
本サイトでは詳細に紹介していますので
以下のボタンをクリックして
内容を確認をしてみてください。
【初心者が手頃に手際よくシーケンサ技術
を習得する方法とは】
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