工作機械 フライス盤の
突発故障修理をしました。
1.故障症状
故障症状はフライス盤を動かす
始動ボタンを押してもまったく動作しない
といった内容です。
2.やったこと
工作機械で、始動ボタンを押しても
始動しない故障はだいたいが
潤滑用の油圧ポンプが
作動していないことが原因です。
潤滑せずに機械を動かすと
故障するので、始動時に必ず動作させ
機械を保護をしているわけです。
シーケンス図を見ると
やはり油圧が関係しています。
(シーケンス図については
以下のページを参考ください。
→シーケンス図とは)
更に調べると 油圧ポンプ用モーターに
取付ているサーマルリレーが
トリップしています。
(サーマルリレーについては
以下のページを参考ください。
→サーマルリレーとは)
サーマルリレーは三相誘導電動機を
過電流による故障から保護するための
電気制御機器です。
(三相誘導電動機については
以下のページを参考ください。
→三相誘導電動機とは)
トリップした原因は三相誘導電動機へ印可される
電源が単相となったことで過電流が流れたことです。
サーマルリレーの故障
更に調査するとサーマルリレーの
ヒーター線が内部で断線しています。
サーマルリレーのヒーター線の断線は
短絡故障で起こります。
油圧用のモーターを見ると、
モーターの口出し線とモーターへの電源線を
接続している箇所に絶縁テープなどを
巻いていますが 少し隙間も見られます。
(このモーターは端子箱はありません)
そして、モーターが設置している場所は
ダライ粉が溜まっていく場所です。
![ダライ粉(切粉)の一例](https://elec-tech.info/wp-content/uploads/2023/01/nakaden2-e1674696216503.png)
ダライ粉(切粉)の一例
故障が発生した時はダライ粉が
相当溜まっていたとのことです。
おそらくそれが原因で短絡したのでしょう。
サーマルリレーは 私の会社にあった
在庫品に交換しモーターの口出し線との
接続部にしっかりと絶縁テープを巻いて
更に高熱に強いシートも巻きました。
3.所感
鉄工所の機械修理をしていると
ダライ粉がいろいろな故障を生み出す原因
となることが多いと感じます。
ダライ粉はわずかな隙間にも入り込みます。
鉄の削りカスなので、導電物質です。
電極間について短絡するわけです。
故障を防ぐ意味でも
定期的にそうじはした方がいいですね。
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