第3回:PLC,シーケンサを使うメリットとは

PLC,シーケンサは、電磁リレーや電子タイマーを
使ってシーケンス制御回路を設計できるにも
関わらず開発され、今現在も改良品が開発され
三菱電機やオムロン、キーエンスなどの

メーカーから販売され続けています。

このことは、ユーザーにとってPLC,シーケンサ
を使うメリットがあり、必要とされていると
いうことを示します。

【補足】PLCやシーケンサそのものの役割や仕組みから整理したい方は、
→PLCを基礎から体系的に理解したい方はこちら
で解説しています。

ここでは、PLC,シーケンサ(以下はPLCとだけ書きます)の
メリットについて説明しきます。

1.経済性

これから説明する全てのメリットは
最終的には経済性に
結びつくと思いますが
直接的な例をあげておきます。

大規模なシーケンス回路設計をする場合
電磁リレーや電子タイマーなどの
電気制御機器が大量に必要となります。

PLCでは、あの電子機器の中に
リレーやタイマーが大量に入っていますので
個別に1つ1つ購入しなくてもよくなります。

ですので、最終的な部品の費用は
PLCを使う方が安くなります。

それだけではなく、部品同士の配線接続は
ソフトを使ったパソコン上で行いますので
電線は必要なく、配線接続の作業もしなくて
いいので時間的な経費も安くできます。

2.制御盤の小型化

PLCの
あの小さい電子機器の中に
何千個分のリレー、タイマー、
カウンタなどが入っているのです。

ですので、部品を納める制御盤を小さく
できます。

複雑な動作をする装置に関わらず
制御盤は非常に小さい、
その制御盤を開いてみると
PLC1台と

あと、他の部品が数個だけしか
ないということはよくあります。

もし、PLCを使わずに
有接点シーケンス制御(リレーシーケンス)
で設計していたら小さい制御盤ではなく
大型の制御盤になっていたはずです。

装置を設置する工場のスペースにも
限りがあります。

制御盤を小型にできることで
そのスペースを他に使うことが
可能になります。

3.高度な回路設計の容易化

PLCはコンピューターですので、
便利な機能が沢山あります。

Excelやwordなどのパソコンのソフトウェアの
中には便利な機能があることを
イメージしてもらえれば、分かると思います。

有接点方式で設計すれば
電磁リレーや電子タイマーが数個必要になる
シーケンス回路でも

たった一つの命令語を記述するだけで
実現できたりもします。

あと、コンピューターですので
数値データーを扱うこともできます。

加減乗除や数値を比較するなどもできます。

高精度な位置決めもできます。
だいたいの位置ではなく、ぴったりずれることなく
位置をだしたい時はPLCを
使うことで実現できます
(*増設機器は必要です。)

4.標準化・量産化が容易

有接点シーケンス制御では完成した
シーケンス図面があっても実動作させるためには
電気制御機器を配線接続して組まないと
いけません。

PLCでは
完成したプログラムの電子データがあれば
それを別のPLCにコピーするだけで
複製することができます。

ですので、量産化が容易です。

5.回路変更が容易

機械,装置を使用していくと改善や
仕様変更のため制御回路を変更する必要が
でてきます。

開発段階でも 実際に機械を動かして
みると細かい修正を加えないといけないことも
あります。

そういった時も シーケンサだとソフトウェアを
つかってプログラミング内容を変えるだけですので
簡単にできます。

有接点シーケンス制御だと
電気部品を増減したり配線接続をしなおしたりと
手間がかかります。

6.保守性の向上

PLCも故障はします。

ただ、寿命部品が少ないので
電磁リレー等を沢山使ってシーケンス回路設計を
するよりも、機械全体の電気故障発生率を
低くできます。

電気故障修理の仕事をしていても
PLCで自動制御している装置の
電気制御系の故障は少ないです。

有接点シーケンス制御は、使用している
電気制御機器が多ければ、その分
故障発生もおきます。

PLCには
こういったメリットがあります。

このように書くと有接点シーケンス制御は
必要ないように誤解されそうですが
第2回で書いたように重要ですよ。。。


第4回:シーケンサを使う電気制御の流れとは

第2回:シーケンス制御の有接点リレー方式とPLC方式とは




当方ではこのページにも関連する
初心者向のシーケンス制御の教材も
扱っています。

【補足】シーケンス制御の全体像を分かりやすくまとめた記事はこちら
→シーケンス制御とは
で解説しています。

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