シーケンサの特殊補助リレーとは?よく使うものも紹介

PLCは
補助(内部)リレーが内蔵されています。

(内部リレーについては
 以下のページを参考ください。
内部リレーやタイマーについて)

この補助リレーは、
リレーシーケンス制御でいう
電磁リレーのようなもので
ただのリレーです。

PLCは
この補助リレーとは別に
特殊補助リレーと呼ばれる
ビットデバイスが内蔵されています。

この特殊補助リレーは
特殊レジスタとあわせて
特殊デバイスとも総称されることも
あります。

(特殊レジスタについては
 以下のページを参考ください。
シーケンサの特殊レジスタをいくつか紹介)

補助リレーは、自分で
回路(プログラム)を組んで
意図する動作を
させるために使います。

例えば、
クロック回路とかですね。

補助リレーやタイマーを使い、
回路を工夫してON/OFFを
繰り返す接点をつくるわけです。

これに対して、特殊補助リレーは
何もしなくても、様々な機能が
備わったリレーです。

先程のクロック回路なら
その機能があるデバイス記号/番号
の特殊補助リレーを使えば

ラダー回路を考えなくても
接点を挿入するだけでいいのです。

ですので、非常に便利です。

デバイス記号/番号と、
そのデバイス記号/番号が
何の機能かを知っておけば
いいだけです。

あとは、
必要に応じて使うだけです。

特殊補助リレーの中には
プログラムでは作成できない
機能を持つリレーも
あります。

ですので、重要、
よく使われる、
ものぐらいは知っておく必要はあります。

このページでは
その特殊補助リレーを
いくつか紹介し

更に詳しく説明した
ページへのリンクを
貼っています。

ご参考ください。

PLCについては
三菱電機のFXシーケンサに
合わせて書いています。

三菱電機の他機種や
他社のPLCではそのまま
使えないものもありますが

同じ機能の特殊補助リレーは
あるので参考にはなると思います。

【補足】まずPLC/シーケンサの役割や仕組みを記事を見て整理したい方は、
→PLCを基礎から体系的に理解したい方はこちら
で解説しています

1.M8000,M8001,M8002,M8003 シーケンサ始動時に作動するデバイス

シーケンサは電源を投入する
だけでは内部のプログラムは
動きません。

スイッチをRUNにして動作を
開始できます。

RUNが駆動入力となって
信号を出力する
特殊補助リレーです。

M8000~M8003:RUNモニター、イニシャルパルス

2.M8011~M8014:シーケンサの内部クロック

シーケンサはラダー図で回路設計
しなくても接点1つでクロック信号を
作ることができます。

その特殊補助リレーが
M8011,M8012,M8013,M8014です。

それぞれ1周期の時間が違います。

M8011~M8014:シーケンサの内部クロック

3.シーケンサのバッテリー低下とM8005,M8006について

シーケンサは機種によっては
内部のプログラムを
外部接続したバッテリーで
保持しています。

バッテリーの電圧が低下すると
プログラムを保持できなくなります。

バッテリー電圧が交換前の
レベルに低下すると
作動する特殊補助リレーが
M8005,M8006です。

シーケンサのバッテリー低下とM8005,M8006について

まとめ:特殊補助リレーを「なんとなく」から「狙って使う」へ

このページでは、三菱シーケンサ(PLC)でよく使われる特殊補助リレーについて、
どんな種類があり、どんな場面で使われているのかを一部紹介しました。

特殊補助リレーは、ふだん意識しなくても動いてくれる「裏方」のような存在ですが、
設定や理解をまちがえると、思わぬトラブルや調査の遠回りの原因になります。

  • 特殊補助リレーには、電源状態・自己保持・タイミング・異常検出など、重要な役割を持つものが多いこと
  • 「とりあえずコピペ」で使うのではなく、何を監視しているのかを知っておくと、故障調査や改造の精度が上がること
  • メーカーのマニュアルと、現場の配線・ラダー図を合わせて確認することで、トラブル時の切り分けスピードが大きく変わること

まずは、本記事で出てきた代表的な特殊補助リレーの意味をおさえつつ、
ご自身が扱っている装置のラダー図と見比べてみてください。

「このビットは、あのタイミングで ON/OFF しているのか」と分かるだけでも、
現場での安心感がかなり違ってくるはずです。


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