100Vコンセントに電気が来ない原因はブレーカー内部故障だった事例

故障した漏電ブレーカーの内部
故障した漏電ブレーカーの内部

100Vコンセントに電気器具を差しても動作しない、という連絡がありました。

まず電話で確認したのは、分電盤のブレーカーです。
「ブレーカーが落ちていないか確認してください」と伝えると、ブレーカーは落ちていないとのことでした。


【補足】分電盤については以下を参考としてください。
→分電盤とは

【補足】ブレーカーについては以下を参考としてください。
→ブレーカーとは


ブレーカーが落ちていないのに100Vコンセントが使えない場合、コンセント本体の不良、配線の断線、分電盤側の不具合などが考えられます。

今回は、最初の測定では100Vが出ていたのに、実際に電気器具を差すと動かないという少し分かりにくい症状でした。
結果として、原因は安全ブレーカー内部の故障でした。

ブレーカーは落ちていないのに100Vコンセントが使えない

現場に到着すると、コンセントボックスはすでに開いた状態でした。
おそらく現場の方がカバーを開けて、中を確認されたのだと思います。

まずテスターでコンセントの電圧を測定しました。
すると、その時点では100Vが来ていました。

コンセント内部も確認しましたが、電線が外れかけている、断線しかけている、端子が焼けている、といった明らかな異常は見当たりません。

見た目だけで判断すると、コンセント側には大きな問題がないように見えました。

テスターでは100Vが出ているのに電気器具が動かない

ただ、現場の方は電気の専門ではありません。
確認方法の違いや、使用した電気器具側の問題という可能性もあります。

そこで、確実に動作する電気器具を使って確認してもらうことにしました。
この時は、現場にあった電動工具を使いました。

問題のコンセントに電動工具を差して動かしてみると、やはり動きません。
しかし、別のコンセントに差すと正常に動作します。

つまり、電動工具側の故障ではなく、問題のコンセント側に何らかの異常があると考えられます。

ここで少し不思議なのは、先ほどテスターでは100Vが出ていたことです。
電圧は出ているように見えるのに、実際の電気器具は動かない。
この時点で、どこかに断続的な接触不良がある可能性を考えました。

再度測定すると100Vが来ていない

ここで、もう一度テスターでコンセントを測定しました。

すると、今度は100Vが来ていませんでした。

最初に測定した時は100Vが来ていたのに、次に測ると来ていない。
このように、電圧が出たり出なかったりする場合は、断線しかけ、接触不良、ブレーカー内部不良などの断続的な故障が疑われます。

最初は、分電盤からこのコンセントまでの電線が、どこかで断線しかけている可能性も考えました。

ただし、配線を追う前に、まずはこのコンセントへ電気を供給している分電盤側を確認することにしました。

分電盤の安全ブレーカーを確認

分電盤を確認すると、安全ブレーカーがいくつも並んでいました。
どのブレーカーもレバーはしっかり上がっており、見た目には落ちていません。

通常、ブレーカーが落ちていれば原因は分かりやすいです。
しかし今回のように、ブレーカーが落ちていないのに100Vコンセントが使えない場合は、少し厄介です。

念のため、安全ブレーカーの二次側で電圧を測定しました。

すると、あるブレーカーで一瞬だけ電圧が出ないように見えました。
しかし次の瞬間には、100Vがしっかり測定できます。

最初は、テスターの当て方が悪かったのか、測定ミスかもしれないと思いました。

コンセントまでの配線も確認する

その後、コンセントから分電盤側へ、電線を追える範囲で確認しました。

ケーブルの外観はしっかりしており、摩耗している様子や、どこかで断線しかけているような雰囲気はありません。

もちろん、見える範囲だけで完全に判断することはできません。
しかし、このまま配線を追い続けても時間がかかるばかりです。

そこで、もう一度分電盤へ戻りました。
どうしても先ほど一瞬だけ電圧が出なかった安全ブレーカーが気になったからです。

問題のコンセントにつながるブレーカーを特定

再度、そのブレーカーの二次側を測定すると、今度は100Vが来ています。
そして問題のコンセントを測定しても、100Vが来ています。

次に、そのブレーカーを落としてみると、問題のコンセントにも電気が来なくなりました。

(そのブレーカーは、漏電遮断器の機能も持つ、下写真の漏電ブレーカーでした。)


【補足】漏電遮断器については以下を参考としてください。
→漏電遮断器とは


故障していた漏電ブレーカー
故障していた漏電ブレーカー

これで、この安全ブレーカーが問題のコンセントへ電気を送っているブレーカーで間違いないと判断できます。

やはり気になるのは、先ほどの「一瞬だけ電圧が出なかった」現象です。

そこで、ブレーカーを入れたり切ったりしながら、再度二次側の電圧を測定しました。
すると、再現性は高くないものの、やはり電圧が出ない瞬間がありました。

この時点で、ブレーカー内部の接触不良、または内部部品の劣化による不具合の可能性が高いと判断しました。

安全ブレーカーを交換すると100Vコンセントが復旧

念のため、安全ブレーカーを交換しました。

交換後、同じように電圧測定と電気器具での動作確認を行いましたが、症状は再発しません。
100Vも安定して測定でき、電動工具も問題なく動作します。

これで今回の原因は、安全ブレーカー内部の故障だったと判断できます。

ブレーカーが落ちていないからといって、必ずしも正常とは限りません。
内部接点の劣化や接触不良によって、電圧が出たり出なかったりすることがあります。

今回の故障は、一瞬でも症状が再現してくれたため原因をつかむことができました。
もし測定時に毎回100Vが出ていたら、原因の特定にもっと時間がかかったと思います。

交換したブレーカー内部の接点を確認

交換したブレーカーを分解して内部を確認しました。

※分解は確認目的で行ったもので、通常は分解修理せず交換対応が基本です。

内部を見ると、明確に「ここが壊れている」と断定できるような異常はありませんでした。
ただし、接点部分は写真のように黒ずんでいました。

故障した漏電ブレーカーの内部
故障した漏電ブレーカーの内部

この黒ずみが接触不良の直接原因なのか、他に内部的な不具合があったのかは、はっきりとは分かりません。

しかし、ブレーカー交換後に症状が出なくなったため、今回の不具合はブレーカー内部にあったと考えてよいでしょう。

ブレーカーが落ちていなくても内部故障することがある

ブレーカーというと、「過電流や短絡で落ちるもの」というイメージが強いかもしれません。

しかし、古くなったブレーカーでは、内部接点の劣化、接触不良、内部部品の不具合などが起きることがあります。

今回のように、

・コンセントに100Vが来たり来なかったりする
・ブレーカーは落ちていない
・電気器具は別のコンセントでは正常に動く
・配線やコンセントに明らかな異常がない

という場合は、分電盤側の安全ブレーカーも疑う必要があります。

特に断続的な故障は、症状が出ている瞬間を確認できないと原因をつかみにくいです。
今回は、一瞬だけでも電圧が出ない現象が確認できたことで、原因を絞ることができました。

まとめ:100Vコンセントに電気が来ない時はブレーカー内部故障も疑う

100Vコンセントに電気が来ない場合、まずブレーカーが落ちていないか確認します。

ただし、ブレーカーが落ちていなくても、ブレーカー内部が故障していることがあります。

今回の事例では、最初は100Vが測定できたためコンセント側に大きな異常はないように見えました。
しかし、電気器具を差しても動作せず、再測定すると電圧が出ていないタイミングがありました。

最終的には、安全ブレーカーの二次側で電圧が出たり出なかったりする現象を確認し、ブレーカーを交換することで復旧しました。

「ブレーカーは落ちていないのに100Vコンセントが使えない」という場合でも、コンセントや配線だけでなく、ブレーカー内部の劣化や接触不良も原因の一つとして考える必要があります。

※分電盤内部の測定やブレーカー交換には感電・短絡の危険があります。作業は電気工事士など、資格と知識のある人が行ってください。

初心者のための講座へ-以下をクリック!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA