無料講座 詳しくはこの画像をクリック!

現場で役立つシーケンス制御 無料メール講座 登録フォーム
【詳しくは上画像をクリック!】

鋸盤の電気修理:サーマルリレーの接点故障とは

富士電機の電磁開閉器

尾道の鉄工所で
鋸(のこ)盤の電気故障修理をしてきました。

鋸盤は下写真のような機械で
鉄骨を切断する仕事をします。

鋸盤の例:AMADAのHPより

鋸盤の例:AMADAのHPより

故障の症状

故障の症状として
まったく動かない状態です。

タッチパネルで動作する鋸盤で、
ディスプレイにエラー表示がでています。

鋸盤の取扱説明書から
そのエラーの内容を調べると

「切削油のポンプOL」

と書いてありました。

OLとはオーバーレンジの略です。

油圧モーターの過電流等が
原因でエラー表示がでているということです。

サーマルリレーのトリップを疑う

電気回路図を見ると、
切削油用の油圧ポンプのモーターには
サーマルリレーが接続されています。

サーマルリレーは、三相誘導電動機を
過電流から保護する電気制御機器です。

(サーマルリレーについては
以下のページを参考ください。
サーマルリレーとは)

(三相誘導電動機については
以下のページを参考ください。
三相誘導電動機とは)

サーマルリレーを確認しましたが
トリップしているように見えません。
(保護機能が作動したように見えない)

試しにサーマルリレー本体にある
リセットをするスイッチを押してみました。

トリップした場合、このスイッチを押すと
保護が解除されて機械が動作する
ようになります。

押した際に手ごたえや
解除した時に出る音もでません。

つまりサーマルリレーは作動していません。

つまり油圧用モーターが過電流状態になったと
いう故障ではありません。

サーマルリレーは接点をON/OFFさせることで
操作回路の一部を非導通にして機械の動作を
停止させる使い方をします。

(操作回路については
以下のページを参考ください。
操作回路とは)

その接点を
テスターで調査すると導通がありません。

トリップしていないのに導通がない、
つまり接点の故障です。

触ると直ってしまった

すぐに交換できる
サーマルリレーはありません。

しかし
運転士の人は、すぐにでも使えないと
仕事にならないとのことでした。

ですので、その接点間を短絡して導通させ 
とりあえず使えるようにしようと
作業をしていたら なぜか直ってしまいました。

原因はよくわかりません。

触っていたら衝撃とかで
接触がよくなったのでしょうか・・・

電気の故障修理ではこういったことは
本当によくあります。

運転士の方は、
再度、故障しては困るので 
新品に交換してほしいとのことでした。

サーマルリレーを交換するまでの間、
また接点が故障してはいけません。

動作させ切削油用の油圧モーターの
電流を測定すると問題ない電流値なので、
相談の結果 サーマルリレーを
一旦外して使うことにしました。

そのかわり

「使っていて何か異常を感じたら、
すぐに機械を止めてください」

というお願いをしました。

サーマルリレーの故障ではなく、
本当にモーターに過電流が流れ続けたら
モーターのコイルを焼損させてしまいます。

(コイルの焼損については
以下のページを参考ください。
固定子コイルの故障)

その場合、モーターを新品に交換するか
コイルの巻替えをする必要が
ありますので
修理代が高くついてしまいます。

下写真は、今回 交換した 
富士電機制御機器の電磁開閉器です。

(電磁開閉器については
以下のページを参考ください。
電磁接触器とは、電磁開閉器とは何か)

サーマルリレーだけの交換でも
よかったのですが、
生産中止となっていました。

電磁接触器とサーマルリレーを組み合わせて
組むことができなくなるので
メンテナンスの意味も含め
電磁接触器も交換しました。

電磁開閉器のコイル電圧はDC24Vで、
PLCからの出力信号で
動作させる制御回路になっていました。

(PLCについては
以下のページを参考ください。
PLCとは、シーケンサとは)

下の右写真は交換前の電磁開閉器、
左写真は交換に使った電磁開閉器です。

初心者のための講座へ-以下をクリック!




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です