旋盤の主軸の
ブレーキの故障修理をしました。
1.依頼内容
現地へ行くと、お客さんの方で
既に三相誘導電動機(三相モーター)を
旋盤から取り外していました。
(三相誘導電動機については
以下のページを参考ください。
→三相誘導電動機とは)
この三相モーターに取り付けている
電磁ブレーキのブレーキ板がかけているから
電磁ブレーキ本体ごと
交換して欲しいとのことです。
2.やったこと
確認するとブレーキライニングが
かなり削れて摩耗しています。
これだけブレーキライニングが摩耗すると、
ブレーキの制動力が落ちるのは納得できます。
電磁ブレーキは大崎電業社の製品でした。
この会社は電磁ブレーキや
電磁クラッチなどを販売している会社で
工作機械に使われている製品を
結構見ますね。
この電磁ブレーキは
ソレノイドに通電しているときに
ブレーキ制動するタイプです。
(ソレノイドについては
以下のページを参考ください。
→ソレノイドとは)
旋盤の主軸はモーター停止後の惰力を止めた後は
主軸を自由に手で動かせた方が都合がいいので
こういったタイプになっていることは多いです。
シーケンス制御としては
モーターを停止させる
電磁ブレーキに通電:惰力を止める
電磁ブレーキを非通電:ブレーキ開放
主軸を自由に動かせる
こんな感じですね。
(シーケンス制御については
以下のページを参考ください。
→3ステップで理解するシーケンス制御とは)
同じ電磁ブレーキを販売していたので
同じ電磁ブレーキを注文・交換しました。
DC80Vのタイプです。
直流なのでライニングギャップは
0.5mmぐらいでしょうか?
お客さんは昔
10円硬貨が入るくらいのギャップに
調整するよう教わったそうです
写真は故障した電磁ブレーキです。
ブレーキライニングが摩耗して
ほとんどありません。
3.所感
ライニングギャップは0.5mmと
狭くしましたが
直流は交流と違い吸引力が弱いので
固定鉄心(電磁石)と可動鉄心の間隔は
狭くします。
ブレーキライニングが摩耗して、このギャップが
広がりブレーキが効くずらくなることは
結構あります。
そのようなときは
たたいて再びギャップ調整する仕事もあります。
その他に、ライニングの質が変わり
摩擦が弱りブレーキが効きずらくなる
メーカーもありますね。
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