旋盤の動作不良の
対処をしてきました。
1.故障内容
故障内容は、旋盤を起動する
ボタンを押してしばらくすると
動作しなくなったというものです。
現地へいくと、運転士の方が
今度は起動すらしなくなったといいます。
2.やったこと
まずは制御盤の中から調査しますが
この旋盤はスペースの狭い所に
設置されていて制御盤の傍は
人が一人やっと入れるぐらいの
スペースしかありません。
(しかも、制御盤は旋盤の下側に
ついているのでかごまないと
中を見ることができない)
(制御盤については
以下のページを参考ください。
⇒制御盤とは)
古い旋盤なので
おそらく電気回路図面もないでしょう。
とりあえずサーマルリレーの
トリップを調べました。
(サーマルリレーについては
以下のページを参考ください。
⇒サーマルリレーとは)
リセットボタンを押すと
「かちっ」
という音が。
どうやらサーマルリレーが
トリップしているようです。
サーマルトリップを解除すると
起動はしますが
しばらくするとまたトリップします。
単相運転を疑いてテスターで
三相誘導電動機への電圧を測定しましたが
三相200Vが問題なく印可されています。
(三相誘導電動機については
以下のページを参考ください。
⇒三相誘導電動機とは)
これは三相誘導電動機を見て
直接調べないと原因はわかりません。
ただ、三相誘導電動機へのケーブルが
旋盤の中を通って配線されているので
どこに三相誘導電動機があるのかを
たどっていけません。
仕方ないので 片っ端から
三相誘導電動機を探していくと
なぜか三相誘導電動機の端子台の所で
3本の電線のうち1本外されている
三相誘導電動機を発見しました。
これが原因です。
単相運転となり
サーマルリレーがトリップしていたのです。
運転士に聞くと、
これは潤滑油を出す油圧ポンプ用のモーターで
ギア部のメンテナンスをするのに
油を出したくないので、
モーターが動作しないように
電線を1本外したとのことです。
機械屋さんなので、
三相の3本のうち1本外すと
三相モーターは正常動作はしないけど
単相運転となることを知らなかったのでしょう。
そのことを教えて
解決しました。
3.所感
今回もそうですが
昔の工作機械はメーカー問わず
非常にメンテナンス性が悪いと感じます。
コンパクトにしたいのか
狭いBOXに部品をつめこんだり
探しにくい箇所、作業しにくい箇所に
メンテナンスが必要な部品等が
取り付けられています。
故障調査自体よりも作業の方が
大変なことがありますね。。。
サーマルトリップで
旋盤の起動すらできなったことは
潤滑油用のモーターだからですね。
潤滑せずに使うと大故障が起こる
可能性もあります。
ですので、多くの機械は
潤滑油のモーター起動しないと
機械自体も起動しない電気回路に
しています。
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